Google自動運転車が事故(自動運転中だが過失無し)

Googleカーが青信号になってから最低でも6秒以上してから交差点に進入してる所に,右側から信号無視して突っ込んできたバンが助手席側に衝突したもの.自動運転状態で,ギリギリで人間のドライバーがブレーキを踏んだが,事故を回避するには至らなかった.


これ自体はGoogleカーの問題とは思えないが,たとえばこれが,

  • 非常に見通しの良い十字路で,交通量は少ない.(前後に加減速できるだけのスペースがある)
  • 自分の側が青信号だけど,
  • 右側(or 左側)からこのまま行くとぶつかるタイミングで近づく車が有り,
  • 交差点が近づいても減速する気配がない.

という時には,減速,又は加速してやり過ごす機能を実現しても良いかもしれない.将来的には.*1


さらにもし,「車が近づいているのと反対側の横断歩道を,多くの歩行者が横断中であり,このままいくと多くの歩行者が暴走車に轢き殺されることが予想される」場合に,「交差点内であえてバリケードとなることで,より多くの犠牲者が出ることを回避するのは是か非か?」という,トロッコ問題の変形のような事態は考えられるかもしれない.*2


例の梅田暴走事故なんかだと,かなり現実的な選択肢の一つだろう.しかし,これはあくまでレアケースだし,その最終判断は同乗しているドライバーに任せれば十分だと思う.

「通勤中“奇跡の連携” 暴走するトラック目撃 自車にぶつけ停止、救出 看護師が心臓マッサージ 3人に印西署が感謝状」

http://www.chibanippo.co.jp/news/national/416953
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170620-00010001-chibatopi-l12

追記.
実際にあった,トロッコ問題の亜種としてメモ.

乗用車で通勤途中の長原さんが、壁面にこすりながら白煙を上げ走行するトラック(2トン)を発見。追い抜きざまに運転席を見ると、ハンドルを離して助手席側に運転手とみられる男性がぐったりした様子で倒れていた。約500メートル先は十字路交差点だった。

 「蘇生しないと危ない」直感で危険を察知した。長原さんは印西市の自動車用機械の製造販売会社で安全運転管理者の資格を取得。交通事故の映像を何度も講習で見ていた。

 「これぐらいのスピードなら止められる。自分の車は諦めよう」

 とっさにトラックの前に入ってブレーキを踏んだ。停車後、トラックに駆け寄り男性に声を掛けるが反応がない。気が付くと後方から車が何台も来ていた。すぐにトラックの発煙筒を取り出し、後続車を誘導しながら119番通報した。


現在の自動運転だと,こういう状況は全く想定してないものと思われる.

「「歩道に人、進ませぬ」タクシー、追跡され暴走の車阻止」

https://www.asahi.com/articles/ASL7T6CXSL7TTIPE02D.html
さらに追記.トロッコ問題の亜種(その2)

背後からほかの車にぶつかりながら走ってくる今井容疑者の車に気づき、タクシーを車線の中央に寄せて進路をふさいだという。今井容疑者の車はタクシーの右後部に追突して停止。男性は体を打ったが、大きなけがはなかった。「歩道に人が大勢いたので、これ以上先へ進ませてはいけないと思った」と話した。

*1:これ実現しようとすると,左右方向にも長距離センサーが必要になるから.

*2:一般論としては,トロッコ問題と自動運転車とは全く関係がない.そもそもからして「トロッコ」問題であって,「自動車」問題や「自転車」問題でない理由は,無人のトロッコのようなポイント切り替えのみ可能でそれ以外の制御が不可能という非常に限定的な制御しか不可能な乗り物でないと,この問題は成立しないからだろう.もし自動車のように加減速ができるなら,前方に人がいるのが確認された時点でブレーキをかけて,適切に段階的に減速して停止すればいいだけの話なのである.トロッコ問題のようなジレンマは発生しない.
ブレーキが故障した場合?ブレーキが故障した時にしか使わないアクロバチックな運転技術をプログラムするくらいなら,ブレーキ故障を未然に検出できるセンサーを搭載した方が現実的だろう.それこそ異音検出くらいなら時間の問題だろうし.