テスラの自動運転での死亡事故の予備報告

報告書のダウンロードも可能.(PDF型式,またはプレーンテキスト.)

報告書はTeslaのオートパイロット・システムには事故の原因となる欠陥がなかったと結論している。また報告書の複数の箇所で安全性の観点からTeslaのオートパイロット・システムのデザインを賞賛している。またTeslaのオートパイロットが全体として同車の事故率を下げていることも認定している。

NHTSAは報告書でTeslaがオートパイロットを広汎に導入して以後、事故率が40%近く下がったと認めた。また今回の事故調査において、Teslaのオートパイロットのデザインにも実装にもなんら欠陥が認められなかったことをことを確認している。Teslaの自動緊急ブレーキ(AEB)も、自動クルーズコントロールも事故原因とは関係がなかったと報告書は述べている。Tesla側ではドライバーが誤った方法でオートパイロットを利用する可能性も事前に認識しており、そのような利用法が及ぼす結果を考慮してデザインされたオートパイロットが市販車に搭載された。報告書全文は記事末にエンベッドしてある。

結論は「欠陥は認められなかった」ということだけど,逆に言えば「現時点における自動運転はその程度」ってことの裏返しでもある.昼間の見通しの良い直線道路でも*2,正面にある大きな障害物すら検知できないこともあるのだ.

報告はTeslaがオートパイロットの限界についてさらに詳細に説明しておくことが望ましかったと指摘している。しかし同時に、Teslaのドライバーならびにオーナーには必要な情報がすべて開示され、利用可能であったとも結論している。


他も内容は大差なし.


http://b.hatena.ne.jp/entry/www3.nhk.or.jp/news/html/20170120/k10010846131000.html

  • id:u_eichi システムに問題がないってだけで、逆に自動運転に対する人間の側の問題が浮き彫りになった感。ドライバー自身が危険回避の主体者っていう意識が薄れるんだろうなぁ。だから7秒間に反応できなかったんでは
  • id:mani023 無人バスや無人タクシーはまだ先の話かな。オートクルーズは運転をアシストしているだけという認識が広がらないと、似たような事故は無くならないので次のステップへの弊害になる。
  • id:Com テスラは負けてないかもしれないけれど,自動運転としては負けな判断.

*1:日本語記事では「最終報告書」って書いてるけど,報告書を見ると Preliminary Evaluation Closed とあるので,「予備調査報告書」あたりだと思う.英語記事の方だと,単にreportとしか書いてない.

*2:https://www.ntsb.gov/investigations/AccidentReports/Pages/HWY16FH018-preliminary.aspx

*3:「予備調査を終了した」になってる.