成果を見ない人々

http://d.hatena.ne.jp/heppokoprogram/20060423#1145776530

とりあえず、わしの会社の現状は、JavaBlack氏お勧めの「内側から見た富士通成果主義」の崩壊」とかなり近いものがあるのです

というか単に、一年目の社員は問答無用で横並び評価というのが会社の方針な気もするし、そういう会社はわりかし多いとも思う。

一年目「だけ」なら,そして二年目以降の評価でそれを穴埋めしてくれるなら,それでもいいです.でもおそらく変わらない.


予測:1年目の評価は横並びです.2年目の評価も横並びです.3年目も4年目もその後の評価ももずっと横並びです.それは未来永劫,会社が潰れるまで変わりません.

で,多分3年目前後で苦労して転職するはめになるでしょう.*1

でもそもそも、上司なんて、わしがどれだけ技術のいる仕事をしているか、いくらアピールしても、全く理解していませんでしたし 。・゚・(ノД`)・゚・。
「君はここだけやってるんだよネ? ( ゚∀゚)」みたいにいいやがるから、

成果主義とは名ばかりで,上司に成果を見る能力や意識が完璧に欠落しているんですよ.

本来は成果主義を導入した時点で成果を見る能力がない管理職は降格の対象になるべきだけど,実際には『特権階級』として奴隷階級の上に君臨しています.

あと、わしの会社で一番腹が立つのは、なぜか職種のヒエラルキーがあることで、
営業さん > デザイン屋さん > ハード屋さん > ソフト屋さん > わし (´ω`)

まあ,あるでしょうね.そういう腐った会社はいくらでも.


そういう環境だから,できるソフトウエア屋はみんな辞めてしまう.以下もおそらくその結果に過ぎない.

しかし、APIを決める時はDesign by Contractで考えるのが普通だとわしは思っていたのだが、なんと職場の周りの人間は、ほとんどの人間がこの単語をよく知らないようだ。マジかよ、、、
http://d.hatena.ne.jp/heppokoprogram/20060404#1144167757

参考:http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20060121#p1

あと、ヘッポコさんが1億稼いだとしても、他の部署で100億損していて、会社全体としてはマイナスだったりしたら、給料は上がらないのかもしれません。財務諸表は見ましたか?
http://d.hatena.ne.jp/heppokoprogram/20060422#c1145771240

それは既に経営が破綻しているんですよ.そういう赤字部門を早急に立て直すか,切り捨てるかしないといけない.*2

それにその場合でも,成果主義の元では1億稼いだエース開発者の給料カットの理由にはなりませんよね.一律カットは典型的な「横並び評価」の特徴です.成果主義においては1億稼いだ人にはそれ相応の報酬が払われる.赤字部門の人間でさえも,会社に貢献し成果を出した人には相応の報酬が支払われる.逆に黒字部門でも成果を出さなかった人の給与はカットされる.それが成果主義というもの.「会社の経営が苦しいから一律給料カット」「赤字部門だから一律給料カット」*3成果主義じゃありません.

それに,こういう論理は従業員が会社の「所有物」或いは「奴隷」であり,その生殺与奪の権利を会社が握っている場合には意味を持ちますが,実際には従業員は奴隷ではありません*4.いくら赤字であろうとも,家賃や各種経費は支払わなければなりません.ビルのオーナーに対し「今月は赤字だから家賃をまけてちょうだい.」なんてのは通用しません.払えなければ倒産です.

従業員に支払う給与も,本質的には同じです.ただ下請けなどと同じく立場が弱いから「今年は赤字だから給料をカットする.*5それが不満なら会社を辞めろ.」とごり押ししているだけです.*6


追記:

ちなみにそのテーマとは、「会社を辞める若者たち」新卒離職率の高まりはすべての業種共通の課題だ。「うちは終身雇用でいきますよ」と言っていても、この流れには巻き込まれてしまう。
彼らはなぜ会社を辞めるのか、また辞められた側はどうやって穴埋めするのか。当の若者はもちろん、企業で役職についている人間なら、いやおう無しにこのテーマと向き合わざるをえないのだろう。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/17090/2559924#2559924

向き合わざるを得ないというか,既に経験済みです.それにしても,いつの間にかこの話が全ての業種に共通のテーマに成長していたのですね.

*1:こういう予測は外れて欲しいものです.儚い希望ですが.

*2:例えば日産の主力工場閉鎖とか,IBMのTinkpad売却とか.コンビニのテナントの統廃合に至っては日常茶飯事でニュースにもならない.

*3:しかも何故か役員報酬は別扱い.

*4:あくまで建前上は.使い捨ての道具と思っている管理職や経営者などごまんといるだろう.

*5:来年も再来年も,その次もずーーっと赤字だ.以下同文.

*6:それで,本当に辞められて開発に支障を来すようになり,最後は営業の舌先三寸に依存した詐欺商売に成り下がる.その前に経営者が気付いてくれればいいが,たぶん最後まで気付かないだろうな.

3年後を目指した準備

もし「若い頃に転職を考えて動き始めていたら何をしていただろうか?」という視点でのアドバイス

  1. 金を貯める.生活費はギリギリまで切り詰める:最終的には会社を辞めて転職活動に専念することもある.その場合は「現在の貯蓄でどれだけ生活できるか」によって,取れる転職活動の戦略が制限される.最低でも6〜8ヶ月の活動期間は欲しいから,貯蓄も10ヶ月〜12ヶ月分くらいは確保したい.*1もちろん転職活動の支障にならない範囲でなら,他のバイトや何かでカバーするのも可.
  2. 一方で技術への投資は怠らない:コスト削減の名の下に必要な支出まで削減するんじゃ無能な経営者と一緒.
  3. 実績を積む.技術を磨く:転職先が見るのはここ.*2この時に担当した仕事の内容や成果,学んだ技術等を日時も含めて事細かに記録に取っておくと,後で職務経歴書を作る時に役に立つ.
  4. 寮や社宅に住んでいる場合は住宅を確保する:辞めた後に契約しようとしても,無職だと跳ねられる恐れが高い.少なくとも選択肢はかなり狭まると覚悟しておくこと.
  5. クレジットカードを持っていない場合は作っておく:辞めた後で確保するのが難しい可能性がある.無くても困らないかもしれないが,一つくらいは作っておいた方が良いだろう.
  6. 業界動向の調査:噂話の域を出ないものでもとにかく幅広く収拾する.
  7. 人脈を広げる.特に社外の人脈を広げる.必ずしも仲間とか友人とは限らず,いろんな人にあって様々な話を聞いてみる.議論を闘わせてみる.会社を辞めた後の相談にも乗って貰えるかも.
  8. 自己分析:自分の強みは何か.何がしたいのか.何のためになら,他の何をどれだけ犠牲にできるか.
  9. 資格取得に関しては疑問.せいぜい英語くらいか.英検1級*3とかTOEIC700点だとか.*4
  10. 配偶者がいる場合は事前に相談し,意見調整しておく:「ある日突然『会社を辞めた』と知らされた」と,「転職のことはもう何年も前から話が出ていました.本人も随分と悩んではいたようです.私も最後には前の会社を辞めて転職することに賛成しました.」というのとでは全く異なると思う.
  11. 辞める場合は失業中の生活の予定を立てる:「何をバカなことを」と思うかもしれないが,いきなり毎日が日曜日状態になると,何をしていいか分からなくなって時間を無駄にしたり,逆に体を壊したりする.大雑把でもいいから転職計画は考えておく.気分転換の旅行計画なども可.


他参考.

*1:実際の活動期間の目標が6ヶ月だったとしても6ヶ月でカタがつく保障はない.6ヶ月目標なら目標の6ヶ月の時点で転職先が決まっていなくても,その時点からでも普通に活動できる余裕は必要だ.また余裕がないと焦りが出て,面接などでも失敗しやすくなる.その点からも資金は十分に確保したい.

*2:見ない会社もすごく多い.

*3:たぶん普通の技術者だと無理じゃないかと思う.

*4:情報処理技術者試験とかは全然信用されてないし,開発力の目安にもならない.むしろ開発経験や実績とかの方が重要だろう.そんな資格を評価する会社はあるかもしれないけど,避けた方が無難だと思う.英語に関してはそういう実績が技術者にはないのと,それなりに役に立つ資格が存在しているので取る価値も出てくる.