変化ヲ包容セヨ?

http://d.hatena.ne.jp/methane/20060428/1146235646

"Embrace Change"は「Extreme Programming Explained: Embrace Change」が元になっているが,これが「XPエクストリーム・プログラミング入門―ソフトウェア開発の究極の手法」に翻訳された時に,なぜか「変化ヲ包容セヨ」のように誤って訳されてしまった.*1

"embrace
2:If you embrace a change,political system, or idea, you accept it and start supporting it or believing in it."
Collins COBUILD Advanced Lerner's English Dictionary 4th.

第二版「XPエクストリーム・プログラミング入門―変化を受け入れる」では修正されているが,未だに間違って覚えている人も多いのだろう.

*1:当時は日本語訳を読んでいて,とてつもなく理解し難かったことを覚えている.

学歴社会を考える

でも、学歴がないから、といって、他のところを見ていないわけではない。アピールポイントの評価が他と余り変わらなければ、学歴で見てしまわざるを得ないだけで。学歴バカは会社をダメにするので、学歴がなくてもしっかりアピールしてくる人はしっかり採用している。そういう人が実際問題余りいないから、どうしても学歴偏重に見えてしまうだけで…
http://d.hatena.ne.jp/zkai/20060205

すべてがこうとは限らないだろうが,そういう人事もごく希にいるらしい.

アピールする内容は十人十色.結局は「何をどうやってアピールすると良いか?」ということを考え出す論理的思考力も実力のうちなのだ.なにもかも教えてもらわないと何もできない「教えて君」には,こういう論理的思考力や問題解決能力がまるで期待できない.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20060316#20060316f2

学歴と自分をアピールする能力との相関関係はかなり少ない.おそらく日本全体で見ても極めてごく僅かしかいないだろう.履歴書の書き方や何かはどこかの入門書や何かを参考にする人がほとんどだろうが,そうやって万人にうけがいいようなものを作れば作るほど没個性になり,人事にアピールする内容もなくなる.*1

とはいえ,これは企業の側が望んだ結果だがね.企業の側が「個性のない扱いやすい使い捨ての道具を求む」というメッセージを流し続けてくれば,応募する側もそれに合わせた個性のない資料を作るわな.

*1:ウォークマンAとやらがこのパターン.ポリシーのない人達がよってたかって作ると,万人受けのする何一つ特徴のないありきたりな製品になってしまう.技術を知らないマネジメントの「何も捨てない」という決断が,SONY再生の旗印となる予定だったウォークマンAという製品を殺してしまったというわけだ.

コーヒー1杯でパンと卵食べ放題 珈琲館のモーニング

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0604/28/news080.html
http://www.kohikan.co.jp/regular/morningfree.html
http://slashdot.jp/article.pl?sid=06/04/30/0015238

茶店チェーンの珈琲館は5月1日から、朝の時間帯にコーヒー1杯(380円から)を注文すれば、パンとゆで卵が食べ放題になるサービス「Morning Free」を始める。

いつかは,このくらい豪華な朝食を取れる身分になりたいものです...orz


加筆:「なぜこの記事がIT mediaなのか」.たしかに言われてみればその通りなのだが,実は悲しいことにほとんど疑問に思わなかった.この業界だと「三度のメシくらいもう少しまともなものを食べたいよね」というのは切実な問題だから.時として文字通りの意味で死活問題だから.それこそこんな記事まであったくらいです.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20060301#p2

徹夜明けの珈琲を頼むとオマケにパン食べ放題が付いてくるなら,そっちを選ぶ人も多いと思いますよ.

人材不足?の背景

http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20060426/hr

最近「優秀なエンジニアってどこにいるんですかねぇ」とよく聞かれる.(中略)
だいたい探してるのは「Ajaxなひと」とか「Web進化論に出てきそうなGeekたち」とか,ヲイヲイ優秀なエンジニアの基準がそれかよとゲンナリしてしまうのであるが,まぁそんなものかも知れない.

技術を知らない人が技術者を評価しようということが間違いだと何故わからないのだろう.

組織は潰しのきく人材を手放したがらないし,たいがい上のいうことを聞いていると,飼い殺されてしまうようにできている.

その通りですね.

では,流行りそうな技術にヤマを張って,教科書がなくても自分でガツガツ調べて試して勉強できるような技術者って,どうやったら育つんだろうか.或いはその路線を目指した場合に,ちゃんと報われるキャリアパスみたいなものは,どうやったらつくれるんだろうか,とか,そういうことを悩み始めている.

答は簡単「適切な評価と相当な対価」.

実行は遙かに難しく,痛みを伴う改革が必要になる.だからこそ,その正逆をいく組織の方が多いようだ.

BLOGは非交換日記です.

http://d.hatena.ne.jp/heppokoprogram/20060429#1146295304

もともとBLOGは個人的な日記以外の何物でもなく,個人的な愚痴を書いたから文句を言われるって物でもないでしょう.むしろそれを勝手に読んでおきながら,愚痴を言うなって文句を言う方がおかしいと思う.

わしの会社では、なぜかエンジニアの給料の方が、営業の給料よりも安いのです。もちろん営業だって大切だし、コミュニケーション能力のようなもので非常に技術もいる仕事でしょうが、エンジニアの方が冷遇されているんですよね、なぜか。これは本来対等であるべきだと思うのにです。

そうなると、エンジニアは自分の技術がまったく認められていないように感じるんですよね。だからこそ、エンジニアは、給料が安い! と文句を言う。

経営者が技術を理解していないからでしょうね.

信じられないことに,最初は数十人ほどだったVAIOの組織は,最終的には1000人に達するまでに肥大化した.(中略)それは実のところ,無用な人員の増加であり,一言で言えばVAIOの発展に役立たないような人間を頭数だけ揃える人事の連鎖とも言えた.(中略)ところが困ったことに,マネジメントは仕事の停滞の理由を人数が少ないせいだと錯覚して,さらに人を増やしていったのだ.それが全く意味のない増員であることは考えなくても分かるだろう.それはラーメン屋が,ラーメンの麺が不足したからといって蕎麦を混ぜて出すようなものだ.つまり,そうした判断を下すほどその頃のマネジメントは質が低下したのである.ちなみにブヨブヨにふくれあがったVAIOではマネジメントも山のようにいた.(中略)おそらくVAIOだけで100人はマネジメントがいたのではないか.(技術空洞 Lost Technical Capabilities (光文社ペーパーバックス))

そういう無駄な物に金をつぎ込むなら,もっとまともな部分に金を使えと思うわけですよ.技術力こそがコアコンピタンスの会社で技術者(それは必ずしも自分とは限らない)に金を払わなければ,会社が生き残れるわけがない.

トラックバックを送っている人たちと同様に「勝手に勉強してスキルを付けて、転職を狙え」という結論になるよなぁ。

で,そうやってSONYやその他の多くの企業はは技術を失ったわけですね.

自分が作ってきたものが,バカな経営者の愚かな経営判断のために崩壊していく様を見るのは,技術者として虚しいものですよ.「一体今までの俺の苦労は何だったんだ.」「よもやこんなバカな理由で全てが無になるとは.」と思わざるをえない.できれば,そんなものは,もう二度と見たくありませんね,私は.