オブジェクト指向技術

転職サイトを眺めていると，希に「オブジェクト指向技術に精通していること」というような記述がある．しかし仮にも専門家の視点から言わせてもらうなら現在の「オブジェクト指向」という単語自体はいわゆるbuzzword／流行語にすぎず，「オブジェクト指向技術」という技術は存在しない．少なくとも専門的ではない．こういう書き方をしているということは，おそらく「オブジェクト指向」を本当の意味では理解していない証拠だ．

「進学校」と呼ばれる中学／高校は珍しくないが，「進学校」という名前の学校はない．分類としても国公立／私立や男子校／女子校／共学のような分類と同程度の確かさでの進学校／非進学校(?)という分類はない．もし「名門進学校出身者」という形でアルバイトの募集をかければ，希望者が混乱するのではないだろうか．Javaのようなオブジェクト指向言語も珍しくないのだが，「オブジェクト指向技術」は「名門進学校」や，或いは「一流大学出身のエリート」よりも遙かに怪しげな言葉なのだ*1．

*1:いわゆる一流大学を卒業した者もいるし，いわゆるエリートも存在する．だが一流大学卒とエリートであることには何の関係もない．何の関係もないものを繋げただけで怪しさが倍増する．