RTLを知らない半導体設計者

http://satoshi.blogs.com/life/2006/03/post_8.html#comment-15173457

RTL(Register Transfer Level)設計をしたことがない人間が旨い仕様なんか作れる分けないのに、無意味に分業し、しかも、RTLやSystemCによる「テスト」を軽視。何度も繰り返しが起こり、かえって工数を増やしてます。仕様検証を人手、しかも基本的には机上/目視チェックのみでなんとかしようという考え方。複雑な規格に対応するんでなければこんなやり方でもうまくいくのかもしれませんが。

どうも異常なほどに(日本の)ソフトウエア業界の持つ病状と似ている.

実は背後で同じ組織が暗躍しているとか?



ひょっとして,無謀にもUMLを使ってたりするのかなあ....

試しに検索してみるとこんなものが.

ソフトウェア分野では業界標準となりつつあるUML*1によるオブジェクト指向手法*2をシステムLSI設計に適用した事例について*3、その有効性や今後の課題についてご講演頂いた。

同フォーラムは,もともとソフトウエアの仕様策定向けに開発されたUMLをハードウエア向けに拡張することで,システムやSOC全体の仕様策定に使えるようにすることを目指す。そのために,(1)UML記述の再利用性や流通性を上げるため,UMLモデリングガイドラインを設ける,(2)並列動作や構造,時間といったハードウエア特有の要素を記述するための拡張を行う。
http://techon.nikkeibp.co.jp/members/01db/200211/1010399/

....もし本当なら,これは最悪な設計手法なんじゃなかろうか.*4

LSI設計は,文字通りにハードウエアに密着した部分だ.アセンブラよりも,なおハードウエアに近い部分にある.UMLはソフトウエアの世界でも親和性の悪さから鬼門となっているのに,それをハードウエア設計に使うなど正気とは思えない.

そもそもUMLの弱点に「並列処理にむかない」というのがある.しかし,悲しいことにハードウエアレベルでは,様々な並列処理のオンパレードなんだよね.さらには発熱や時間遅れやその他諸々のアナログ的な処理も必要となるだろう.UMLに表現できるとは思えないし,UMLを使うメリットが有るとも思えない.

UMLは,グラフィカルな表記法なため「人が見てわかりやすい」が,コンピュータ上で実行可能でない。

これもウソだな.UMLは決して人が見て分かりやすいものではない.
条件分岐やループが入ると特にそうだ.並列処理に至っては満足に表現することさえできない.

*1:UMLはソフトウエア設計手法としては標準でもなんでもない.

*2:UMLによるオブジェクト指向手法」なんてものがはたして存在するのか?たとえ存在しても,業界標準ではないな.

*3:「スキージャンプで標準的なV字ジャンプを,フィギュアスケートのジャンプに適用した事例」なんてものがあらば物笑いの種になるな.これもそれと同レベルの気がする.

*4:なんでUMLを使えば生産性が上がると思えるのだろう.その根拠は一体?ソフトウエアの世界でさえも,UMLのおかげで生産性がどれだけ低下しているか想像も付かないというのに.