「ソフトウェア開発」は「モノ作り」ではない

http://blog.gcd.org/archives/50603640.html
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20060623/104991/

まあいつもの奴ですね.今までも何度となく取り上げている.
http://www.biwa.ne.jp/~mmura/SoftwareDevelopment/WhatIsSoftwareDesignJ.html

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20050605#p2

経営トップからすると、ITはとにかく非常識な世界だ、としか思えないのではないかなあ。例えば大きなシステム開発プロジェクトに取り組むと、すぐ100 億円を投資する、という話になってしまう。100億円の経常利益を出そうと思ったら本当に大変。ところが、100億円を投じたのに、期限までに完成しない、出来上がってきたものが当初計画と違う、直そうとするとさらに金がかかる。こんなことが起きるわけですから、『一体なぜなんだ』と経営トップは思うわけです

いわゆる通常の物作りの比喩で,理解した『つもり』になることが大きな間違い.

ソフトウエア開発 55の真実と10のウソ

ソフトウエア開発 55の真実と10のウソ

別に非常識でもなんでもなく「そういう性質のもの」なのである.性質が異なるのだから異なる手法が必要になる.ただそれだけ.不思議でもなんでもない.

経営とは常に変わり続けるものだ.変化を恐れ,変化することを拒絶するようになったら経営者はおしまいだ.老兵は死なず、ただ邪魔するのみ.そういう時代遅れの経営者はさっさと引退すべし.


ちなみに,そこそこ使える比喩は「オーダーメードで,ビルを一軒建てる」というもの.「とにかく便利なオフィスビルを造って欲しい」「他社に負けない立派な自社ビルを作ってくれ」という要求仕様だけで,思い通りのビルは建たない.「やっぱりこの部分にトイレを一つ追加してくれ.」と言えば水道の配管からやり直し.「エレベーターをもう一機追加してくれ」「最上階に一般の人も入れる展望フロアを用意して,一階から直通エレベータを付けろ.」「地下4階と地下5階を追加してくれ」.さて,この仕様変更でどれだけのコストが掛かるか想像して貰いたい.