面白南極料理人
- 作者: 西村淳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: Kindle版
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昔どこかのブログか何かで紹介されてて,興味は持っていたけどそのままなんとなく忘れていた.この機会に購入しても良いかもしれない.
買ってみた.
- 南極のドーム基地に参加した料理人(?)の書いたエッセイ.
- 基本は料理人視点だけど,他の作業のお手伝いもします.
- ドーム基地は有名な昭和基地より,奥地にあって,小規模で設備も少なくて,そして高地で寒い.
- 最高気温が氷点下50度(夏場?)なんていう世界.
- 冬場は南極仕様の特製雪上車も凍り付くし,低温用軽油もシャーベット状になる.「不凍液が凍り付く」という表現に苦笑.
- 基地まで雪上車で片道約20日.
- 荷物の積み込みや設営作業等々はほとんど人力.
- 周りは天然の冷凍庫.冷凍保存は簡単だが,「常温」保存は難しい.特に雪上車で移動中は原則として必ず一端凍結する.
- 食材についても原則として凍結保存.
- 各種の肉,魚,蟹,ロブスターなどは凍結させて持って行けるので豊富.
- 一方で豆腐,生卵,各種野菜,コンニャクなど,持って行くのが難しい食材も多数.
- 苦心の末,冷凍ジャガイモ,冷凍玉ねぎなど発見.キュウリとダイコンは作って貰ったらしい.
- 卵も冷凍卵.でも,生卵とゆで卵は…
- 牛乳も試しに冷凍してみたら意外といけた.
- 松阪牛のローストビーフは作れても、おでんは代用品で誤魔化さないと作れない.
- 酒はタップリ.度数65度(!)なんて酒なら,その気温でも凍らないとか.
- 特に触れてないけど炭酸飲料は持って行けないだろうなあ.ある意味では高級酒の方がコーラより安いのか?ビールはあるみたいだから可能?
- 特に説明は無いけど娯楽は乏しい.通信も満足にできないようだし.
- 食事と酒が数少ない(唯一の?)娯楽.まるで噂に聞く潜水艦乗りだ.
- プライバシーは乏しい.スペースも無さそうだなあ.2段ベッドがギッシリとか?
- 雪と氷は大量にあるのに「水」はとっても貴重品.
- トイレはもちろん水洗ではありません.大は一つのみ.
- 一ヶ月ぶりのお風呂は強烈な硫黄臭と共に.
中を覗いて驚天動地!家庭用二十四時間循環風呂なのに,日本全国の温泉が束になってかかってきたかのような強烈な硫黄臭がモワッと押し寄せてきた
「フィルターが切れたのでしばらく風呂の水変えていません.みなさんにこれから一ヶ月ぶりに風呂に入って貰いますが,風呂のお湯を間違っても口に入れないで下さい.死にますから.」
- 標高が高いので,お湯は85度くらいで沸騰する.
- インスタント麺は食えるけど,生麺タイプは食えたもんじゃ無い.
- バカみたいなお祭り騒ぎも:氷点下50度で露天風呂,ソフトボール
- そして飲む!ひたすら飲む!