「素朴な疑問に乗客不在の「言い訳」が…(キリッ)」じゃねーよ

コレはヒドイ.

  • JR東では消費増税で運賃を引き上げた場合、5月末現在で約3968万枚発行しているスイカのシステム改修が必要となる。改修の具体的な検討は「運賃の引き上げ自体が決まっていない」(JR東)ため始めていないが、「システム改修の計画作りや乗客への周知期間も含めると1年数カ月かかるだろう」(同)と話す。イカを導入していなかった1997年の消費増税ではシステム改修に30億〜40億円の費用と3カ月程度の期間がかかった。巨大化したスイカシステムの再起動時のシステムダウンや運賃の計算ミスを避けるため、改修には費用、期間とも前回を上回るとの指摘もある。
  • イカは2001年の発行以来、西日本旅客鉄道JR西日本)の「ICOCA(イコカ)」などJR各社のIC乗車券のほか、首都圏の私鉄・バスが加盟するIC乗券「PASMOパスモ)」と相互乗り入れをしている。運賃変更をした場合、私鉄とJR間などを乗り継いで正しく運賃計算されるか確かめる必要がある。その数はイカパスモの連携だけでも約12億3千万通りと膨大な作業が必要となる。
http://www.shopbiz.jp/nf/news/112667.html

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20120630/p1
http://www.publickey1.jp/blog/12/_1040.html

全国で相互乗り入れをするとこの組み合わせがさらに膨大になる.テストにかかる期間も費用もそれだけ膨れあがる.しかも全国のどこか一カ所で運賃変更があれば,たとえそれがJRでも私鉄でもバスでも路面電車でも,全国の全ICカードと改札機で修正と全件テストが必要になるんだぞ.

そうやって膨れあがったコストは,遅かれ早かれ運賃に上乗せされる.しかも実際にエリア間で乗り継ぎする人間は限られるため,全国相互乗り入れのメリットはほとんどない.


本当に顧客のためを考えるなら,コスト削減こそが最重要課題だ.エリア事に分けるというのは現実的な解の一つ.

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.j-cast.com/2013/04/10172860.html

  • id:sisya 言い訳じゃなく事情だろう。会社側もやりたくなくてやらないわけじゃない。やりたくても問題があるという内容なのにタイトルがひどい。/後、できたとしていきなり統合カードを出すと独占禁止法違反なので無理です。
  • id:wasai 担当していた知り合いがちょっと乗り入れとかしただけで死んでいたから、またいでなんてやったらプログラム作成者が死ぬだろうな
  • id:dbfireball こいつ、本当に適当な事書いてるな?。日本の北端の駅から日本の南端の駅まで、同一カードでのフィールドテストをどうやってやるつもりなんだよ?経路は何万通りもあるんだぞ。
  • id:houyhnhm JRがひとつだったらまだ可能だったかも知れないけど、料金計算のマスタとかの更新タイミングとか結構死ねそうな要素が増える。Suicaとかプリペイド方式だから、通す時間内に計算し終えないといけないわけで、まあねえ
  • id:tanimiyan いやホントにこれ大変でしょ……確かに顧客からしたらわからないけどこういう裏のコストを鑑みずになんでも顧客不在とかいうとそれこそモンスターカスタマーの出来上がりでしょ。
  • id:y-kawaz 言い訳って…酷い言い方だなぁ。技術面でもコスト面でもどんだけ大変か欠片も想像できないんだろうな。金も出さずに気軽なこった。
  • id:mesowest 「エリアをまたいで使う」という極めて狭いニーズの為に、システム開発せえ、システム投資しろ、ってのは無茶苦茶な話だと思うけれど。
  • id:kenken610 「そんなのアレよ、パソコンでチャチャッとなんとかなるんじゃないの」ってオバちゃんに言われたときのイラっと感。
  • id:okra2 いつもPC触ってるんだから詳しいよね?これくらいすぐできるでしょ。ついでにやっといてよ。ってのはこういう感覚から出てくる言葉かもしれない。
  • id:k146 "素人の浅知恵"って言葉がこれ程しっくり来る記事も珍しい。
  • id:alph29 たぶん「あまりに膨大」の数がせいぜい数千くらいだと思ってるんじゃなかろうか
  • id:kuippa suicaが私鉄と乗り入れしたら運賃判定は12億通りに増えた。12億に12億が乗り入れると? (24*10^8)C2= (24*10^8)P2/2!≒144*10^16=144兆? 実際は経由地があるのでさらに複雑
  • id:spherera そもそもここまでICカードが普及するとは誰も考えていなかったからだから。エリアまたぎは費用対効果を考えたら現実的では無いと思うけど。まぁ、利用者から見れば見えない費用でしょうが。
  • id:naoya2k 最初から全部をまたいで使えるような巨大システムを構築してたら、絶対「またいで使いたい乗客なんてほとんどいないのに、需要のないシステム開発に莫大な金がつぎ込まれている」て批判したくせに。
  • id:knjname 他の国だったら、計算超適当にするかルールねじ曲げて全国つないでいたかもしれない。既存を一切壊さないっていう美しい前提だとケース膨大で検証できないとか言い出す。
  • id:lordnoesis エリアひとつにつき一律二千円!みたいにパターン単純化すればいけるかもしれんが、やったらぼったくりだというんだろう?
  • id:tanahata そう言えば、JR東や関東私鉄などに PiTaPa で乗る際、PiTaPa のポストペイから引き落とされるのか、PiTaPa に内蔵された ICOCAプリペイドから支払われるのか把握していません。

こういうのもあるから,面倒がさらに増えるという...


  • id:hsenyo 導入時期も違うし「初めから統一を想定」は無理かな。でも後続がすべて独自の道を歩く必要はそもそもなかったんじゃないかと。

でも,たとえば「首都圏に入れたら次に静岡」みたいに隣接地域ごとに順番に広がっていけばそういう話もすぐに出たでしょうけど,たぶんそうじゃないはず.全国の大都市をそれぞれ中心に,虫食い上に広がっていって,最終的に一つになっただけで.

首都圏のSuicaPASMOくらいは最初から一緒でも良かったかもしれないけどね.それさえもビジネスロジックの微調整や料金変更ルールについての指揮系統の統一が必要だったりで大変.

  • id:i196 叩くべきはJRじゃなくてエリア毎に会社を分けるという時代錯誤のスキームなワケで。NTTなんかも同じ
  • id:kangiren 分割民営化の負の面??
  • id:seats じゃあ国鉄を分割民営化なんてしなきゃよかったんじゃないのか?って方にはいかないのな。「地域ごとに効率よく運営したほうがいい」から分割民営化したんでしょ?

システム開発における組み合わせ爆発や分割統治や密結合/疎結合の話なので,たとえJRが企業体としては分割されずに全国で一社しかなくても,システムを地域毎に切り分ける判断は必要だったと思う.*1

古いキップでも,近距離キップは券売機で買って,遠距離は「みどりの窓口」で購入するのが普通じゃ無かったかな?

余談.

こういうアホな記事を見る度に,「プログラミングの義務教育化」はあってもいいかなあと思う.*2

こういうアホな記事を書く記者は,一刻も早く撲滅すべきだ.

*1:といか,同じ企業内でも社内の派閥争いとか珍しくないよね.北海道と九州では除雪費用とか冷房費とか全然違うだろうし.中央集権化/全国一律は,必ずしも最適化を意味しないの,旧ソ連で嫌と言うほど経験済みだろうに.

*2:もっとも,これについては順列・組み合わせレベルの問題なので,プログラミング知識がない人でも問題は推測可能だと思う.つまりこの記者はプログラミング知識以前の問題把握や論理的推論レベルで知的能力が欠落している.