就活の挫折は....幸運か?

http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_06020214.cfm

コンピューターに興味があり、一昨年12月に情報技術(IT)関連企業を中心に回り始めた。

考え直すならいまのうちだよ.足を洗うに早すぎると言うことはない.

どの企業も、欲しい人材像を示すキーワードに「積極性」「協調性」といった言葉を並べた。

意訳すると,「技術力とかやる気なんていらないから,ひたすら従順で無謀な上司の命令にも絶対服従.一日48時間労働のデスマーチでも文句の一つも言わずに率先して取り組み玉砕してくれる便利な道具求む.」ってことじゃないかな.そう思われなかった方がよほど幸せになれる.

無業者の増加がここまで深刻な背景に、あいまいな採用基準で就職に失敗した学生が働く意欲を失っていることがあると言われている。

あーそう言えばそうだったかも.

でも,冷静に考えてみても,意欲云々以前に無理して正社員になっても良いことが何にもないから.雇用の安定もキャリアアップもないし*1,もちろん定期昇給もない.正社員になってレールにのれば「揺りかごから墓場まで」の手厚い保障と高い報酬が受けられるならいざしらず,用意されるのがでっかい墓穴*2だけなら正社員になる意味がない.

*1:「いろんなセミナーに参加できます」と言われて嬉しいのは(悪い意味ではなく)平均以下の人だけ.平均以上のプロに何かを教えられるセミナーなどない.ましてやトップクラスの人となると,仕事をしているだけで周りを刺激し,育てているようなものだ.だが経営者はその事実を認めようとしない.

*2:墓穴を作る人とそれに墓穴に嵌められる人が異なるのが,この業界の嫌な所だ.墓穴を作った人は「成果が出た」と評価され,墓穴に嵌められた人は「成果が出ない」ので評価が下がる.成果が出なかった原因である墓穴を作った張本人が,その責任を問われることはない.