ビル・ゲイツはネット時代のアーキテクトにはなれなかった

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060704/242535/

確かに、無理だったのだと思う。ビルは、機能を集めて製品を作ってきた人。しかし今は、「人間の幸せとは何か」が本質的に問われる時代だ。幸せの定義が多様化するなかで、さまざまなインターネット・サービスが登場しているのだが、ビルはもともとサービスだとかを評価するタイプではないのだと思う。
実際、ここ3年ぐらい、ビルがいろいろなところで話す基調講演はつまらなくなってきている。ピークは「Information at your fingertips」(1990年に発表)のころだろう。その後でも、 .NETとか、ともかくキーワード先行でも「未来はこうだ。こんな新しい世界が来る」と発言していたのに、最近はそれが全くなくなっている。

しかし、時代に合わせて世の中の嗜好が変わったにもかかわらず、ビル・ゲイツなり、そのジェネレーションは、まだ前の時代から抜け出していない。ビルが好きなのはチェリーコーク、といった具合にね。マイクロソフトはこのまま変わらなければ終わってしまうだろう。

Web2.0と対比していえば、“コンピュータ2.0”とでもいうべき時代を作ってきた。それが今はインターネットの世界に起こっているだけのことだ。
ところが今、マイクロソフトは自身が権力の側に立ってしまっている。強い立場にいるがゆえに、昔の痛みを忘れてしまっている。それは、バルマーの下で実権を握った幹部、MBA上がりで実ビジネスの経験のないマネジャが心の通わないビジネスをしているせいかもしれない。

実に痛い,核心部分を突いている.

こういう辛口批判が出ること,MSが自分自身の問題点を批判できるようになることが,ビルゲイツが引退すべき最大の理由なのかも知れない.