医療崩壊2題
メモ
「各地で救急が崩壊しているが、その中に「旧人類」の問題も見え隠れ」
http://d.hatena.ne.jp/Toshikun/20130413/1365859676
どうやら近畿大学は北米型ERを目指していたようですが、そのERの専属の医師数11名しかいなかったということ。これで24時間のERをローテーションでまわそうという事自体が詰んでいます
医師数11名がどのくらい「足りてない」のかは知らないけど,人手が全く足りてない開発現場ならとても既視感があります.
さらに路線の違い(おそらくこの1−3次を全て受けるということに反対した勢力がいたのではないかと・・・)で医師が半減というのが第一段階。
そして、この際に、救急を「閉鎖」ではなく、「若手医師に10回の当直をさせた」ということ。すくなくとも北米型ERを目指している病院のERが「当直」体制などということは絶対に有り得ません。これは完全に「夜勤」です。さらにこの「月10回」の当直をさせたなどという馬鹿げた事態を「負担感が増した」という「感」の話にしてしまっているところが「終わった」感があふれます。彼らの仕事を「負担感」という捉え方をしかできていないのが現実を見誤った第2段階。
そして主任教授以外は全て退職して「センター」という名前の「クリニック」レベルの医師体制(医師一人ですから、開業医さんと同じだ・・・)へと突き進みます。
まさにこのパターンか.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20071025/p1
- 営業が赤字案件を取ってきた.
- 開発が月100時間残業でなんとか間に合わせる
- 営業は次からは残業100時間込みで見積もりするようになる.
- 残業時間が200時間,300時間と増えていく.
- 開発メンバーが辞めはじめる.(今の産科医療はここ.)
- 会社が潰れる.
「医師が半減」は,5の「開発メンバーが辞めはじめる」で,ほぼ末期状態.ここでよほど抜本的な対策を打たないと,崩壊まではあっという間.
人が減っても仕事量は同じなので,辞めた人の分は誰か他の人に押しつけられる.辞めた人をカバーした他の人たちの負担が限界を超えてしまい,残った人達も連鎖的に次々と辞めていく.そのしわ寄せは残った人に集中するため一人当たりの負担も単調増加,辞める速度も加速度的に増加する.これは会社が潰れるまで続く.
過去の失敗から何も学ばない人たちは,何度でも同じ失敗を繰り返すんだなあ.
「神戸大病院:救急患者の受け入れ停止 再開に数カ月か」
http://mainichi.jp/select/news/20130416k0000e040163000c.html
http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013041601001641.html
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000003769.html
http://www.asahi.com/national/update/0416/OSK201304150121.html
ついでにメモ.さー,医療崩壊2.0が始まるよー.
神戸大医学部付属病院(神戸市中央区)は16日、救急部が今月5日から新規の救急搬送患者の受け入れを停止していることを明らかにした。救急医が他病院へ異動したり、救急診療体制の方針転換に反対して退職したりするためという。かかりつけの患者は従来通り対応するが、急患の受け入れ再開には数カ月かかる見通し。
記者会見した杉村和朗院長らによると、3月にあった救急部の教授選で、診療体制の大幅な転換を掲げた他大学の医師が新しい教授に決まった。これを受けて在籍する9人の救急医のうち、転換に反対する副部長が辞意を表明。更に5人が異動などで5月までに救急部を離れるという。杉村院長は「内紛という認識はない。受け入れ制限を早く解除できるよう、後任医師の確保に最大限努力する」と述べた。
同病院救急部は、神戸市内の年間の急患約6万人のうち、約1割を受け入れていた。現在、重篤な急患は市立医療センター中央市民病院と兵庫県災害医療センターなどで対応している。県医務課は「今のところ他の病院で対応できているが、災害など多数の患者が出た場合が懸念される。早く体制を整えてほしい」と話している。
神戸大医学部付属病院救急部は1989年に設置された。95年の阪神大震災を受けて97年に「災害救急・医学講座」を発足させ、新潟県中越地震(2004年)や東日本大震災(11年)など大災害に医療救援チームを派遣。災害医療の先進的な取り組みで知られる。【豊田将志、山口朋辰】
肝心なその内容を書かないとは,記者は真面目に仕事してるんだろうか.