「このままじっと我慢してれば、そのうち良くなる」。そんな神話を信じる老害社員はなぜ増えたのか?
本気でこんな文章を書いているのかな.誰からお金を貰ってる書いてることやら.*1
しかし、いったんストレスのかかる場面に遭遇するととても弱く、強く叱責すると翌日から出社しなくなってしまったり、時には親身の指導を「パワハラである」と言い出します。最近は、こんな「会社のワガママちゃん」に振り回される管理職のグチをよく耳にします。
第1回目は、この連載で取り上げる「会社のワガママちゃん」が増えた背景とその人物像について解説をしましょう。
こういう話自体は昔も今も変わらない.*2 *3
ただし,そういう話が「増えた」背景には,高度経済成長の終焉という時代の変化*4と,それに対応できていない旧世代との対立という構図がある.
このあいだびっくりしたのは、1965年から75年の10年間、高度経済成長期ですけど、名目賃金が500%上がっているんですよ。5倍ですよね。5万円だった人が25万円になった。そういう時代ですから、この会社についていけば大変かもしれないけど食っていける、という幻想ができたと思うんです。
もちろん、実際にはそこからはじかれた人は結構います。母子世帯の人たちとか、日雇いの人たちは昔から企業に食わしてもらっていない。ただ、企業の「溜め」で生活をしてきた、メインストリームの人たちが社会的にも発言力を持っていた。まさにこれが中流の核を作っていたんです。
頭では、ワーキングプアが増えていることはわかるんだけど、体には、65年から75年の10年間の、毎年賃金をもらうたびに上がっていく感覚がある。やっぱり20代のときにどういう精神形成をしたかは大きいと思う。体で理解できていない。
堤 皮膚感覚の反応にでるのは、体に刷り込まれたほうなんですよね。
湯浅 そうした人が、今、長く仕事を続けることができない若い人を見て、「じっと我慢してりゃ、そのうち良くなるものを。なんでそんな簡単に会社を辞めちゃうんだ」と。「だからお前は駄目なんだ」と非難してしまう。
だけど非難される側の20代の賃金上昇率は2000年以降、あろうことか、名目賃金でさえマイナスです。
そういう年代の人たちは、「そんな『じっと我慢してりゃそのうち良くなる』なんて、なんでそんなに楽観できるのかわからない」という話になるわけですね。日本の場合は正規、非正規の対立が世代間対立にも重なって、非常にややこしい。
堤 もう、全然かみ合ってない。その意識のままでは連帯もできないですね。
湯浅 かみ合ってない。上の世代から見ると、労働市場はみんなを食わしてくれるはずのものなので「食わしてもらえないんです」という人が出てくると、労働市場には問題があるはずがないから、それは食えないあなたに何か問題があるんだろうとなる。ワーキングプアの自己責任になっちゃうんですね。
堤 「辛抱が足らないから」みたいな人、ほんと多いですよね。その世代の親が自分の子どもに「頑張りなさい、頑張りなさい」と言う。今、湯浅さんの言う「すべり台」を猛スピードで落ちている子どもが何よりも必要としているのは「生き延びる知恵」なのに。親達にはそれが見えないんですね。
必死で手を伸ばす子どもに向かって「夢を持たなきゃ、やりたいことを見つけなきゃ」と言う親と、それを聞いて絶望し、落ちてゆく子ども。どっちもかわいそうです。何とかしたい。
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10274421578.html
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http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20060525/p2
http://president.jp.reuters.com/article/2009/10/24/BA8D7BF0-BA29-11DE-A839-21F13E99CD51.php?rpc=110
*1:そもそもなぜ「ビジネス情報サイト」でこんなことを書く必要があるのかと.もし本当に若者が軟弱になっているなら,まず問題にすべきは小中高の教育現場でしょ.
*2:「俺は部下や後輩からすべからく尊敬されるほど立派な上司/先輩だろうか」と実際に胸に手を当てて考えて,それに対して「もちろん!」と答えられるほど傲慢な自信家だけが,こういう話を信じられるのだろうな.
*3:もちろん今も昔も一定数の「ダメな若者」もいれば「ダメな年寄り」もいるだろう。でもそういう「ダメな人」は,同世代から見ても共感は得られず,やはり「出来ない人」「ダメな人」と見られてると思う.
*4:若い人にとっては彼らが生まれる遥か以前の話だろう.日本という国は一体いつまで70年代の亡霊に振り回されるのか.