祝!AlphaGo三連勝!

AlphaGoイ・セドル9段との三局目も勝利.全五局のうち三局をストレート勝ちし,すでに勝ち越し決定.バケモノや.

本日をもって「コンピュータ囲碁が人間の囲碁チャンピオンを打ち負かした日」と認定してよろしいのではないかと思います.
週明けのAI関連企業の株価とかにも影響が出るんじゃないかなあ.それとも既に出てるのか.→ 既に出てるようだ.そりゃそうか.*1

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20160131/p1
http://antibayesian.hateblo.jp/entry/2016/03/10/041739


なんか,みんなだんだん戦況についてコメントするのを諦め始めてる気が.彼らは人間には理解できない領域で戦ってる.

nitro15

http://nitro15.ldblog.jp/tag/AlphaGo

「【AlphaGo】イ・セドルvsAlphaGoチャレンジ マッチ第3局 崖っぷちに立ったイ・セドル、反撃妙手出てくるだろうか」

http://nitro15.ldblog.jp/archives/47068129.html

「【AlphaGo】イ・セドルvsAlphaGo Googleディープマインドチャレンジマッチ第3局速報」

http://nitro15.ldblog.jp/archives/47069626.html

午後4時50分-AlphaGoのバグ?

AlphaGoのバグであろうか? 下辺コウが行われる急なところを差しおいてAlphaGoが上辺暇な手を打った。 これがどういうことなのか。 話にもならない。

「【AlphaGo】イ・セドルvsAlphaGo Googleディープマインドチャレンジマッチ第3局 乱戦試みたイ・セドル、3-0で敗北」

http://nitro15.ldblog.jp/archives/47071735.html

センドル(強い石)'イ・セドルがまた負けた。 1・2局と違い自信で武装したがAlphaGoは巨大な'壁'だった。 'センドル(強い石)スタイル'も通じなかった。 予想通り乱戦で、意図的に急転を誘導したがかえってAlphaGoの鋭い反撃を受けた。

AlphaGoはコウも完ぺきだった。 対局終了時刻は5時12分。 ランニング タイムは4時間12分だった。 消費時間はイ・セドルが制限時間を全て使って最後の秒読みに入って、AlphaGoが8分12秒を残した。

AlphaGoが「コウを嫌がる」という特徴は見られるようだ.だがこれが,

  • コウは苦手・面倒.
  • コウに弱い.
  • すべて計画通り.(例:コウ争いで無駄な手を打たせる)

のどれなのかは,未だ不明だ.

「【AlphaGo】「イ・セドルは敗れたが、人間が敗れたのではない」イ・セドルvsAlphaGo第3局記者懇談会」

http://nitro15.ldblog.jp/archives/47072069.html

二対局が残っているので最後の記者会見の時に感慨をさらに明らかにするようにする。 もう一度皆さんが大きな景色を見て下さればと思い願う。 イ・セドル9段と対局を行ったのはさらに多くの学習のためであった。 そして創造力、天才的才能を見せたと考える。

事実AlphaGoを開発した究極的目標は汎用的な人工知能を開発するところにある。 それで私たちの社会が直面している色々な難題を技術的に解こうとするということが目標だ。 人間が知能をさらに発揮して科学者が能力をさらに倍加して社会が直面した困難を解決しようとするのが私たちの目標だ。"

  • 対決に先立ちAlphaGoの短所を見つけたい、限界をテストしたいといったが3局が終わった時点で見つけたのか。そしてどのような点をさらに改善させるべきだと見るのか。

"(ハサビス)正直今まで対局に集中していて分析する時間がなかった。対局の結果がAlphaGoに良く出てきたので今のところは短所が完全に露出していない。イ・セドル9段も話したように完ぺきでなくて改善する余地がある。2局に現れたように短所があると見られる。戻って分析をしなければならない。"

三村囲碁jp「Google DeepMind Challenge Matchの感想3」

http://mimura15.jp/3014.html

イ・セドル九段は前の2局よりも激しく仕掛けた。AlphaGoはそれを吸収するかのように柔らかく対応した。早い時期で優位を築いた後チャンスを与えなかったと思う。


そしてコウも問題なくこなした。無条件で取れていた石をコウにしたのが気になったが、形勢が逆転するミスで無ければAlphaGoの場合ミスでは無い、と言える。

村上深「AlphaGo VS イセドル(第3戦)感想 絶望」

http://ameblo.jp/deeper810/entry-12138933967.html

  1. 全局に波及するような戦いの局面に持っていく
  2. コウを含む変化を積極的に仕掛ける

いずれも、局面を複雑化させることで、AlphaGoの処理能力に影響を与える、ということが基本線でしょう。

これ、負荷がかかるのは当然人間も一緒なのですよね。CPUの「演算能力」と人間の「直観力」の戦争です。

ニコニコ動画を見る限り、出演者の方々の表現はマイルド(?)でしたが、囲碁界の慣用句でいう所の「オワ(終わりの意)」と言って良いと思います。

まだ50手も行かないタイミングで、あのセドルがはるか後方に引き離されているんだぜ・・・。

誰がAlphaGoに太刀打ちできるんだよ・・・と絶望感すら漂う状態でした。

2ch名人「Google・AlphaGo、李世ドル九段に3連勝、勝ち越し決定!」

http://i2chmeijin.blog.fc2.com/blog-entry-3548.html

「アルファ碁開発のCEO「AIはメッシでない、実験室の助手」」

http://japanese.joins.com/article/142/213142.html

ハサビスCEOは対局に応じた李世ドルイ・セドル)九段に関し、「李九段を選択したのは彼の創意的な囲碁スタイルのため」とし「対局で勝つことよりアルファ碁がどんな方法を使ったかがさらに重要だが、李九段がこれを解決する最適任者だった」と述べた。続いて「李九段は第2局で自分がほとんど劣勢だったと話したが、アルファ碁もそのように判断していた」とし「しかし他のプロはそれを知らなかった」と話した。ハサビスCEOは「残りの対局で李九段の善戦を心より祈る」と語った。

もうハサビスCEOは囲碁を越えて他の世界を見ている。目標は「さまざまな分野に使われる汎用目的を持つ学習機械の開発」だ。人間のように白紙の状態から自ら学習して解決方法を探すAIだ。ハサビスCEOはこれをアポロプログラム(人類初の有人月着陸船開発計画)に例えた。

ハサビスCEOは「今までのAIは他の分野に適用するのが難しかったが、アルファ碁は汎用性を持つ」とし「事前にプログラムを組まなくても、加工されていない最小限の情報を入力すれば自ら知識を積み重ねていくAIを開発したい」と述べた。

「未来の二つの顔」で描いた夢か.

未来の二つの顔 (創元SF文庫)

未来の二つの顔 (創元SF文庫)

マーヴィン・ミンスキー教授が,これを見ずに亡くなられたのが残念でならない.

中央日報「<囲碁:人間vs人工知能>神秘の領域、中央の「厚み」・・・アルファ碁は計算した」

http://japanese.joins.com/article/108/213108.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000021-cnippou-kr

アルファ碁が5000年間続いてきた囲碁の原理を根本から書き換えつつある。核心は中央攻略だ。かつて人間が「厚み」と命名して神秘の領域として残してきた空間を、アルファ碁はついに精密な計算力で征服し遂げている。

第2局は第1局とは違った。対局中ずっと李世ドルイ・セドル)九段は冷静かつ柔軟、時には果敢だった。特別に失着(誤った手を打つこと)もなかった。むしろアルファ碁が無理な方法と唐突な手を連発した。終盤の振り替わり(フリカワリ)部分は、大きな錯誤のようにみえた。だが、それは人間の目から見た時であった。人工知能の文法は違っていた。

中原(第5線から中央あたり)の運営力においてアルファ碁は優秀だった。序盤・中盤にアルファ碁が右辺に37を置いた時、観戦室はざわついた。イ・ヒソン九段は「本にはない手」と言った。アルファ碁が第5線で肩ツキ(相手の石の斜め上に打つ手)したためだ。

通常、囲碁において第3線は実利線、第4線は勢力線と呼ばれる。したがって相手方に第4線に「眼」を作るようにするのは一種のタブーだった。ところでアルファ碁が第5線に石を置きながら、むしろ李九段の第4線の眼づくりを許容した格好となった。ホン・ミンピョ九段は「研修生の時期にこのような手を駆使していたら直ちにひどい目にあっていた」と言った。

これまでの常識では説明できない手を、アルファ碁はその後も頻繁に駆使した。中盤形勢の不利を感知した李九段が上辺に果敢に攻め入った時はこれに対応せず無関心なように左辺を着手した。序盤・中盤の捨て石に近い石をあえて生かして中央側に引っ張っていった時はアマチュアのように見えた。

高段者のトーレードマークである後味(局面を決定せず余韻を残して後続手段を狙うこと)もなかった。時には自ら失敗を招くような手も躊躇しなかった。部分戦闘が広がるたびに勝戦譜を上げたのは常に李九段だったが、霧が晴れた後の局面を確認してみれば、バランスをとっていたりこまかいながらもアルファ碁の優勢だった。狐につままれたようだ。