ITマネジメント インタビュー

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二年目になると周囲と比較するようになるからです。「なぜ、あいつより給料が低いのか」と。そして結局、二年目以降は不満だけがつのっていくことになります。

この不満は年功序列にもあるぞ.「なぜ,あの爺さんより給料が低いのか」.

本来、職務遂行と職務満足は一体のものです。しかし、ここに「お金」が割って入ることによって、職務遂行と職務満足が分離してしまうのです。

職務満足だけで仕事を選んでいるようでは,果たしてプロと言えるだろうか.それに人の価値観や人生観を勝手に決めつける辺りがなんとも.それにね,人は雲や霞を食って生きているわけでもないのですよ.金がなければ技術を維持することさえままならない.

成果主義を導入すれば、成果が向上し、総人件費が削減できます」という人がいますが、この成果向上と総人件費削減の2つは両立しません。

これは全く同感.

20年くらい前に各世代のサラリーマンに対して質問したところ、若い人は「年功序列だ」と言い、40歳代になると「実力主義だ」と言う。つまり、入社して最初のうちの給料はほとんど横並びで変わらないのですが、徐々に差がついてきて、40歳になるとその違いがはっきりしてくるのです。

ネズミ講に最初の方で入った人はこう言うだろう.「これのおかげでみんな金持ちになれた」.後から入った人はこう言うだろう.「これに入っても誰も儲からない」.年功序列なんて老人が主催したネズミ講にすぎない.世代間で意見が違って当然だ.

だいたい「差があるかどうか」なんて聞いちゃいない.いくら年功序列の元でも全く差がないとは考えにくい.問題なのは,その差が何から生まれ,どれだけの差がでるかだ.
能力のある老人と能力のない老人を比較すればたしかに差はあるだろう.だがその差はいかほどのものか.それがはたしてその成果の差を十分に反映したものだろうか.そして能力のない老人と能力のある若者を比較した場合には,この差は一体どうなるだろうか.能力のない老人を役職から外し,その若者と入れ替えるだろうか?

最初の肩書きである「係長」という役職にも実は軽重があります。ある会社で同期がどんどん係長に就任しているのに、その中で一番優秀なヤツがなかなか係長に昇進しない。どうしたのかと思っていると、ある日突然社内ですごく重要な係長ポストが空いて、スポーンとそこにはまるわけです。

困ったことにこの椅子取りゲームでは,既に先着順で全ての椅子が埋まっている.しかもその椅子は今後減ることはあっても増えることはない.既に座っている方々は自分からはその椅子を絶対に手放そうとしない.さて,一体どうすれば若者全員がその椅子に座ることができるでしょうか?*1

*1:それ以前に,技術者は椅子取りゲームに参加する権利さえも与えられていないのだけどね.年功序列なんてその程度だ.