「研究者の評価低い日本」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20060318us41.htm

低いというか,全般として「搾取される側である理系/搾取する側である文系」という図式が定着していると思うけど.

米国のように、将来いい仕事に就くために科学の勉強に身を入れるということが、日本ではない気がする。

そりゃあそうでしょう.

米国はどうか知らんが,日本だと理系に進むということは「大学に進んでも文系より勉強で苦労して,社会に出れば能力や成果に関係なく安月給で酷使される」というのが常識でしょう.理系離れの本質がここにある.

様々なジャンルの記事の中で、科学記事は専門用語が多くて難しいというイメージがありました。それなのに、高校生が英語の科学記事を読んでいると知って、正直、驚きました

いかにも文系が持ちそうな偏見だ.

技術文書はそれを理解する上で科学知識は必要だが,英語的にはむしろ簡潔明瞭で理解し易い場合が多い.知らない専門用語が多いのはあるが,これは文系偏重の英語教育の賜物.英語教育が文系重視でなくなりさえすれば自然と解消できる程度のものでしょう.

英語で苦労させられたのは,技術文書よりはむしろ「聖書」やら「若者の悩み」のような非論理的で破天荒な物語の方だった*1.こういう非論理的文書は,どれほど辞書を調べようとどれだけ論理的に推論しようとも,それを解明する糸口さえ掴めないことが多い.

科学記事の活用が大学にも広がって、多くの子供たちが本物の科学英語に触れてくれるなら、こんなにうれしいことはない

それは結構なことだが,これで理系離れが解消されるとは到底思えないな.

*1:日本語でもあるでしょ.天声人語とかの非論理的な社説とかが.