発明とはなにか
- 作者: 星野力
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 1995/06
- メディア: 単行本
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発明とは何か?アタナソフのABCマシンは確かに独創的なアイデアに満ちた,先駆的業績であった.しかしENIACはすべてABCのマネであるとはいえないであろう.ENIACに使われた技術には,原理的あるいは要素的には先駆的な研究や開発があった.だからといってENIACには革新性がないとはいえない.大発明とは突然現れるものではなく,それには必ず先駆的な発明があり,それらの積み重ねの上に現れるものである.また,アイデアを思いつくこと,計画を立てること,試作すること,それを実現することの各段階を区別することは,技術開発を評価する時には常識である.アイデアを思いついたとか,試作に成功したと言うだけで,その後のすべての成果を独占することは出来ない.
本書では,先駆者の独創性について優劣をつけようとか,論争に白黒つけようとするのではない.コンピューターの研究開発は,いろいろなところで行われていた.あるものは孤立し,あるものは密接に技術を交流し,後世に影響を与えた.この歴史の流れに沿った(あるいは孤立した)漸進的な発明の積み重なりを眺め,理解したいというのが本書の目的なのである.
たとえ発明が改良的であっても,その改良が次世代への本質的なブレークスルーであることがある.原理や要素技術だけでは世の中は何も変わらない.「単純に誰が発明したのか?」と問うことはあまり意味がない.(P97,第5章「ENIACと戦争の時代」より引用)
こういうことは,技術者的には常識だと思ってたんだが.
ある言語があって,その言語に他の言語が「影響を与えた」ことは珍しくも何ともない.ある革新的な新技術があったとして,それに対する先駆的なアイデアや技術があるのもごく普通の話.新技術というのはそういう性質のものです.
http://d.hatena.ne.jp/odz/20071130/1196433944
追記
理解不能なのに,なにをどう反論するおつもりで?
で、「interface は Java 以前にはなかった」という部分に対して意義を唱えている人がいるわけで、
- (概念として整理されているかはともかく)「interface的使い方」はあった.
- 「interfaceを機能として持っている言語」は(ほとんど)なかった.
- インターフェースの試験実装はあった(らしい)*1
- たとえばObjective-Cには機能としては同等のものはあったが,インターフェースとして組み込まれたものではない(らしい)
- Javaは,他の多くの言語の影響を受けている.(ほぼ常識)
「アイデアを思いつくこと,計画を立てること,試作すること,それを実現することの各段階を区別することは,技術開発を評価する時には常識である.」
区別しない人がその区別なしに「(アイデアは)あった」「いや,(試作は)なかった」などと議論するのを見てるのは不毛なんだと.