「ゲーム業界,使えない人サバイバル」

http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20100202054/
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20100205061/
メモ.

内容的には普通の斜陽産業におけるリストラ話.オフショアの失敗パターンも絡むのがチト悲しい.

あと「使えない人」という表現は嫌だな.使う側の無能を責任転嫁してるみたいに見えるから.*1

下請け管理は大変ですよ。何しろ,進捗中の制作物を,マイルストーンで納品されて確認してから品質が悪いことがようやく分かった,ということがザラですからね。毎週プロジェクト会議で顔を合わせているのに,期日通りにモノが上がってこないことが分かって青くなった,それも,仕様が全部入ってなかった,という経験者は多いのではないでしょうか。週単位の進捗確認ではなく,文字通り一時間単位でチェンジドの内容を把握するぐらいの進め方でないと,国内でも海外でも開発外注は怖くて使えません。

それは,下請けに限らないと思う.

内容把握については昔に比べて随分楽になったのでは.Subversionの中身を見れば進捗だけなら手に取るように分かります.「技術が分かって,ソースコードが読める管理職がいれば」の話だけど.

一番難しいのは,遅延が分かったところでそれを加速する術を持たないことだな.

作は要だから,海外に拠点を出す以上子会社化して,全部自分とこの資本でやりたい……という気持ちは分かるんだけれども,その拠点を維持するために売れない企画も採用して,走ってるプロジェクト数を維持するという本末転倒な事態がしょっちゅう起きます。
いくつか軽量級タイトルを任せてみながら,開発体制の刷り合わせや先方と潤滑にプロジェクトを進めるノウハウを獲得する,というスタイルが一番望ましいのですが,どうしても日本の会社はやりたがらないんですよね。だから,安いからといっていきなり大きいタイトルを海外のスタジオに振って,思ったようなクオリティで制作物が上がってこず,検収で問題になる,だから国内開発でやろう,でも国内開発は高いからな,じゃあ海外で制作だ,の無限ループを毎月繰り返していることになります。プロジェクトが立ち上がってしまえば私どもは見ているだけになるからいいけど,この手の話はかなり初期のころから迷走が起きるのが通例なんですよね。


だいたい,英語もろくすっぽできない奴がプロデューサーやるから揉めるんだよ,これが。

*1:こういう人が相手だと「砂上のフェラーリ」だって,「使えない車」扱いされそうだ.