この世でアジャイルから一番遠い会社
- 「NTTデータ、3年間で社員1000人をアジャイル開発人材に育成」http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120417/391290/
- プレスリリース: http://www.nttdata.co.jp/release/2012/041700.html
- アジャイルソフトウエア開発技術者検定試験準備委員会を設立: http://www.nttdata.co.jp/whatsnew/2012041300.html
メモ
NTTデータとNTTデータユニバーシティは2012年4月17日、同社グループの主に入社3年から5年の若手社員を対象に、「アジャイル開発」と呼ばれるソフトウエア開発手法の研修を5月から実施すると発表した。今後3年間で約1000人のアジャイル開発人材の育成を目指す。
- 若手というより新人.しかもプログラミング未経験者に理解させるのは絶望的.
- 先に組織改革しないと失敗するよ.中高年のウォーターフォール屋さんが握ってる権限を剥奪できる?でないと彼らが抵抗勢力になる.
- まずは経営者の首をすげ替えようよ.そうしないかぎり社内のウォーターフォール屋さんが,自分達の身は安泰だと勘違いしてしまう.
- そもそもNTT-Dが丸投げや多重下請け構造をやめることができる?無理だろ.
アジャイル開発とは、システムの仕様変更や機能追加などに臨機応変に対応できるよう、開発対象を小さい機能に分割して、設計や実装、テストを短い期間で繰り返していく開発手法のこと。米国IT企業のソフトウエア開発においては主流となっているものの、国内での採用はWebサービス業界やゲーム開発業界の一部企業にとどまっている。
うーん,本当に理解しているんだろうか?
なにかかなり根本的に勘違いしている気が.
今回、同社グループは、グローバルに展開する顧客企業をサポートできる開発体制を整備する目的で、グループ内におけるアジャイル開発人材の育成を始めた。研修では、アジャイル開発の代表的な手法の1つである「Scrum開発手法」のフレームワークに関する講義、Scrum開発手法を体験するための実践演習、自分の組織へScrum開発手法を導入するためのグループ討論を実施する。
2012年度は月1回の研修を、約300人を対象に開催する予定だ。
http://b.hatena.ne.jp/entry/itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120417/391290/
- id:harumomo2006 この世で最もアジャイルから離れた会社なのに
- id:raitu 「米国IT企業のソフトウエア開発においては主流」これほんとそうなのか疑問。しかもアジャイルって自分でコード書けないと厳しくないか。データにコード書ける人いるのか?
- id:ir9 みかかデータのことだから、結局事あることにハンコ承認が必要な書類が増えて小回りが出来なくなるんだべー? で、偉い人は「なんで失敗したんだ!」ってなるんだべー!?
- id:cad-san ニュースリリース見たけど、研修やるだけで実践は各自でやって、みたいな感じ。WFとは根本の部分で相容れない考え方だから、検定試験の賑やかしにしかならないor下手に手出して炎上、にしかならない悪寒。
- id:Lambda_groove 今更…。というか、こんだけでかい組織になるとアジャイルのメリットってほとんど失われる。まあ、もう地道に改善していくという選択肢も無いくらい組織が硬直化してるんだろうけど。
- id:te2u 経験者がおらず、参考書的な書籍を読みながら、ああだこうだと空論を並べて終わりそう。
- id:yun2dot0 う〜ん。チャレンジする姿勢は素晴らしいことだと思うのだけど、若手より先に中堅に先に導入しないと、メンターになる人が現場に居ないので、結局失敗する気がするんだけど。
- id:kitanow でも下流工程は下請けに任せるんでしょ
- id:xlc 頼むから自分たちだけでやってくれ。下請け巻き込むな。
- id:sankaseki 絶対に失敗する。アジャイルに夢持ちすぎ
- id:Nagise 「仕様変更や機能追加などに臨機応変に対応できるよう設計や実装、テストを短い期間で繰り返していく開発手法のこと」ダウト!
- id:heystarman 「システムの仕様変更や機能追加などに臨機応変に対応できるよう、開発対象を小さい機能に分割して、設計や実装、テストを短い期間で繰り返していく開発手法のこと」ってアジャイルの本質ってそこだっけ?
- id:katotaku あれ、古株・中堅のリストラもセットじゃないの?
- id:reachout ノウハウがある人を一気に中途採用する方が良いだろ
- id:tkfuji いやいや、若手を教育する前にやることあるだろう?経験者採用とかプロジェクトへの適用とか。検定試験の合格者を増やすだけのマッチポンプになりそうw
- id:megascus 入社3年から5年の若手社員を対象にって・・・・結局老害に叩かれる若者達の図になるんじゃないか?
- id:maname 3〜5年目社員が対象って、実践されるまで10年くらいかかりそうですね。
30年じゃない?
今の若手が勉強して,彼らが年功序列の中で昇進して部長以上の過半数を占め,抵抗勢力である古い世代が定年退職してさらに相談役などからも引退するまでだと,そのくらいかかる.
人材も重要だけど,案件もね.今までのように入札で納期と価格だけ先に決めるような案件だと無理だと思う.
会社の金で勉強させてもらえるのだから社員としてはとても嬉しい.
それで成果を何も出せないのは,経営者や株主としては問題だ.
- id:kaorun55 せめて、元のニュースリリースはリンクしてほしなぁ。これじゃあ誤解を生むんじゃないか?元の方はあんまり見られてないみたいだし http://www.nttdata.co.jp/release/2012/041700.html
参考にはなるけど,誤解は招かない.データが大きく勘違いしていて,アジャイル導入に失敗するのは,やる前からほぼ確定でしょう.
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.nttdata.co.jp/release/2012/041700.html
- id:h5y1m141 ニュースリリースでは"2012年度では300名、今後3年間で合計1,000名への研修実施を目指します。" だから、研修しておしまいって感じなのかな??
http://b.hatena.ne.jp/entry/hiroki.jp/2012/04/18/3773/
- id:daimatz 3〜5年目のリーダー層ってのは、会社に入って、腐ったソフトウェア開発を見て、「これでいいのか?」って疑問や挫折を経験するのにちょうど良い時期であるし、本質を見極められる人ってのは、ここで転職する。
だからその後もNTT-Dに遺る人というのは,本質を見極められない残りカスなので,やっぱり当初の予定通りに失敗すると思う.
あー,これはありそう.何も理解してないマネージャーだと本気でそういう勘違いしてそうだ.
- id:obata_hiroshi 現場よりも顧客の方が問題じゃないかね。
- id:hino666NTTデータがアジャイルって、なんか流行に載ってみました感がスゴイんだけど。 ≫ NTTデータのアジャイルは現場への警告であり、日本のソフトウェア産業の大きな1歩である
- id:koroharo 決裁権や承認権をもつ管理職や品質管理部隊が「仕様はいつ凍結するの?」「予定バグ数は?」「テスト項目書はどこ?」とか言って、若い社員じゃどうにも抵抗できないという。
- id:これって、NTTは失敗すると思うけど、その屍の上にアジャイルが浸透する企業が増えるのであれば 「君の犠牲の上で成り立った平和だという事を僕は忘れない」という事態が出てくるかもしれない偉大な一歩という事かな
- id:ikosin ただ短納期で仕様がなかなか決まらなくてドキュメントが皆無なだけのプロジェクトをアジャイルと呼ばないことを祈る。誰が講師するんだろ?
- id:orangehalf アジャイルという名の無限仕様変更デスマーチになりそう。NTTデータが受託する規模の案件かつ多重下請構造でのアジャイル開発とか難しいと思う。
- id:premyth 柔軟性と言う名目の元、仕様がコロコロ変わるわけですね。
- id:SiroKuro アジャイルではないなにかになる予感
なぜかとってもとっても既視感が.*1
せめて下請けを巻き込まないで欲しいです.
アジャイル開発手順書.xlsを公開します。
http://d.hatena.ne.jp/posaunehm/20120418/1334757548
どうなんですかね、これ。僕はどうも日本人の手によって作られるこの手のテストにもう辟易しているので。
いや、スクラム研修はいいんですよ。あれは研修して認定するというプロセスで、それはすごくいいと思うのですが。
いや、いいから一度これ受けてみなさいって。2年前のものだけど、それでも絶望することうけ合いなので。
- アジャイル検定
以下の本*2みたいな「ずっと受けたかったアジャイル開発プロセス工程管理の授業」なんて本が出てきたりするのが予想できて怖い.
ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業1 増補改訂版
- 作者: 鶴保征城,駒谷昇一
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/01/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 作者: 飯泉純子,大槻繁
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/08/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
- 作者: 大森久美子,岡崎義勝,宇治則孝
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/03/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 10人 クリック: 92回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
- 作者: 大森久美子,岡崎義勝,西原琢夫,宇治則孝
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2009/04/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 5人 クリック: 113回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの新人研修 開発現場編
- 作者: 大森久美子、西原琢夫
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2012/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 18回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 作者: 大森久美子,岡崎義勝,西原琢夫,宇治則孝
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2010/04/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20090418/p1
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20100421/p1
どうも、こういう動きからは、冒頭で見せたようなものではなく、もっともっと重厚長大な「アジャイル開発手順書.xls」が出来てしまいそうな、そんな気がするのです。
ていうかさ、検定できるような手順を決めた時点でそれはもうアジャイルではないよねー。ちがくね?だって。
ほぼ同意.
似非アジャイルは怖いよー.単に納期と仕様変更が一週間単位で発生するウォーターフォールだったから.しかも自分以外のプログラマーは初心者ばかりだったから,アジャイルが何かもそれがおかしいことも知らないし,反論しようとしても反論できなかったから.
そも,日本SIビジネスの鉄則である
- 無知な顧客の横暴.
- 顧客担当社がITに関して無知.
- 最初に決まるのが納期と予算.
- 曖昧で巨大でモノリシックな仕様書
- 紙ベースの作業.良くてせいぜいExcel管理
- 外部企業(SI会社)への丸投げ
- 下請け会社への丸投げ
- 管理職からプログラマーへの丸投げ
- 多重下請け構造
- プログラマー30歳/35歳定年説
- プログラミングなんて誰にでもできる.「上流工程」こそ重要
- 技術スキルよりコミュニケーション/マネジメントスキル
- 「上流工程」しかわからないマネージャー
などなどは,アジャイルとは水と油だと思う.
これを変革しないかぎりアジャイル開発の成功はおぼつかないけど,それをやったらNTTデータは何か別の存在に変わってしまうだろう.はたしてその覚悟が現経営陣にある?もしあったら「若手(のみ)に研修受けさせて,アジャイル人材を開発します(キリッ)」とは言わないはず.だからほぼ確実に失敗するでしょう.
「アジャイルソフトウエア開発技術者検定試験準備委員会を設立」
http://www.nttdata.co.jp/whatsnew/2012041300.html
本準備委員会には、国内システムインテグレータのべ7社:株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区豊洲、代表取締役社長:山下 徹)、株式会社オージス総研(本社:大阪市西区千代崎、代表取締役社長:平山 輝)、株式会社戦略スタッフ・サービス(本社:東京都千代田区大手町、代表取締役社長:戸田 孝一郎)、株式会社テクノロジックアート(本社:東京都文京区本郷、代表取締役会長:長瀬 嘉秀)、株式会社トランスコスモス・テクノロジーズ(本社:横浜市西区北幸、代表取締役社長:荒木 一洋)、日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都中央区日本橋箱崎町、代表取締役 社長執行役員:橋本 孝之)、株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区丸の内、代表執行役 執行役社長:中西 宏明)(五十音順)が参画し、年々システム開発への適用が進むアジャイルの開発技術者育成検定の本格運用へ向け、運営組織や検定の方向性に関して、検討を開始します。
なんか不安がもくもくと.なんでSI会社だけでやるんだ.
(注) アジャイル開発
アジャイル開発手法とは、ウォーターフォール型に代表されるプロセス重視・手続き重視の開発手法に対するアンチテーゼとして生まれてきた開発手法。草の根的・同時多発的に提唱され、それらの一連の手法を総称してアジャイル開発手法(またはアジャイル開発方法論)と呼びます。具体的な手法は多岐にわたりますが、中でも「XP (eXtremeProgramming) 」と「スクラム」が現在最も使われています。
....そうだっけ?
何か根本的にズレてるような気が.