「ロスジェネ世代ってなんで大人しかったんだろう 」
https://anond.hatelabo.jp/20171209005757
ロスジェネ世代の境遇のえげつなさを聞くと、なんで犯罪集団化とかの直接的な社会の不安要素にならなかったのと思うけど、実際はどうなんですかね。
ロスジェネ世代にはヤクザや半グレが多いなんて聞いた事ないし、なんでこんなに大人しかったのだろう。
現状はひたすら耐えて、間接的な社会不安要素にしかなれていないし。
北朝鮮ばりの弾圧があったんでしょうか。
何を言いたいのかマジで分からん.
そもそもロストジェネレーションはあくまで「世代」の話であって,そんな「集団」は存在しないんだ.*1 あるのは「就職氷河期」と「失われた20年」と,それに振り回された個人だけ.しかも就職控えた若者だ.一体何ができる?せいぜい泣きながら多くの企業に応募し続けるくらいだ.
それは今の若い世代でも変わらない.きっと彼等は自分たちが,ここでいうロスジェネ世代の同類だという自覚はまだないと思う.*2
たんにこの辺が分かってないだけの気もする.
ところが日本のワーキングプアというのは、電気製品を買ってユニクロ着て、インスタントラーメン食べるしかないんです。でもそれは、タイの人から見ても、そしておそらく日本の年長者から見ても、一見豊かなんです。「貧乏だというけどきれいな服を着ているじゃないか」というわけです。だけど先の展望は全くない。この問題に気づくのはたぶん30歳を過ぎてからなんだろうなと思います。
https://synodos.jp/society/1677/2
後から見たら,1992年卒以降が狙い撃ちされて結果的に貧困世代になってるってだけで,当時はまさかそこまで政治家や経営者が無策のままとは思いもよらなかった.*3 失われた5年が10年になり20年になるとは思わなかった.
- 就職氷河期世代は就活で忙しくて,それどころではなかった.就職できたら仕事でそれどころじゃないし,就職できなかったらさらにそれどころじゃない.
- テロ活動でも起こせというのだろうか.良くも悪くも日本はそこまで生活が苦しくない.ジワジワとなぶり殺しにするだけで,十字架に磔にして心臓を串刺しにしたりするわけでないから.
結婚はできないし未来もないけど,めったなことでは若い者が飢え死にするほどではない.*4 結婚や出産を諦めたり,家を買ったりせず実家に引きこもってるだけなら,なんとか生きていける.夢も希望もない. - テロ活動のリーダーはいつもインテリの富裕層だが,就職氷河期でもインテリ層の多くはそこそこの生活を送ってるから,自分の生活をかなぐり捨ててまでテロ活動する動機がない.*5
- マスゴミはロスジェネで一括りにするかもしれないけれど,単に卒業年度が同じというだけの無関係な赤の他人だ.仲間意識など全くない.特定の民族や宗教に対する弾圧じゃないから,虐げられた同胞のために立ち上がる英雄などいようはずもない.
- この世代でできる自衛策といえば,就職活動で「勝ち組」になることくらいしかない.みんなそのために必至で頑張った.勝ち組は自分の生活を守るために必死になるだろうし,負け組は生きるだけで精一杯だ.いずれにしても破壊活動なんかにかまけてる余裕は無い.
- いつの時代にも「勝ち組」はいる.氷河期世代で異なるのは,「勝ち組」が激減して,大多数が「負け組」になったことくらい.その伝統は今の若い世代にもそのまま受け継がれているが,はたして彼等に自分たちがその同類だという考えているだろうか?まさかね.
増田はランボーみたいな展開を期待してるのかもしれないけど.
自分の意志と関係なく放り込まれた泥沼の戦場で,それでも祖国のためと信じて命懸けで戦った.戦争が終わって夢にまで見た愛する祖国に帰ってみれば,そこには彼を温かく迎えてくれる同胞はいなかった.まさに四面楚歌.そりゃあ心折れるわな.*6
しかし駐車場の係にもなれない閉塞感や失望だけでは,テロ組織なんて作らんよ.まがりなりにも愛する祖国なんだ.仮に一人で戦争始めたって,200丁のM16で蜂の巣にされたら丸損だから.
棄民された世代で半ば自暴自棄になって居ても、大事な家族や友人がいる人間は多い。
その大事な人達もまた大事な家族や友人を持ち、かけがえの無い生活を守っている。その人達が暮らす日本を面と向かって暴力行為で破壊できる人間など稀だ。
棄民世代がもう少し歳を取り孤独に苛まれ、真に追い詰められたときに問題が現実化するだろう。
https://anond.hatelabo.jp/20171210203131
それとロストジェネレーションの本来の意味は知っておくべき.
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"You are all a lost generation." Gertrude Stein.
"あなたたちはみな、途方に暮れてどうしようもない世代なのよ。" ガートルード・スタイン
上記の言葉はもともと作家ガートルード・スタインがアーネスト・ヘミングウェイに直接言ったと伝えられているが,その真偽を中々確かめられない伝説である.ハッキリしているのはヘミングウェイがそれを「ガートルードスタインの言葉」として1926年の小説「日はまた昇る」(The Sun Also Rises)の題辞に使ったことだ.
この小説の出版以降,"lost generation"と言うと,第一次世界大戦後ヨーロッパに残った,あるアメリカ作家の一群を表すことになった.戦争のむごさに直面して,これまでの宗教的,道徳的価値観がまったく無意味になった,虚無に陥った世代である.
lostは,たとえば"the lost civilization of Incas"(インカの失われた文明)のような意味もあれば,"a lost child"(迷子)のように,道に迷って正しい行き方が分からなくなったという意味もある.なぜか日本ではスタインのlost generationは伝統的に「失われた世代」と訳されてきたのだが,本当は「人生の迷子になった世代」を示している言い方である.逆に,第一次大戦によって「失われた世代」と言えば,膨大な数の若者が無意味に戦死した世代を示すことになる.高見宏の「日はまた昇る」の優れた新訳(2000年/角川春樹事務所,新潮文庫)では,上記の言葉は「あなたたちはみんな,自堕落な世代なのよね」となり,「自堕落」には「ロストジェネレーション」という振り仮名が付けられている.こうした訳し方によって,この世代のもう一つの特徴がうまく表現されている.
lost generationの作家たちが,アメリカよりもヨーロッパの方がまだ住み易いと思って帰国しなかったのは,一般アメリカ人がまるで戦争がなかったように普通に暮らしていたことに対して強い疎外感を覚えたことと,母国の精神文化の未熟さに絶望を感じたからである.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20091110/p1
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20171209005757
- id:G1Xir3um 「サイレントテロ」ってうまい言いかただと思ったけどさ。実際的には、連帯も組織もあるわけがなく、個々が劣悪な環境に部分適応してきただけの結果が、(おそらく)最悪レベルの社会問題になるという皮肉(なの?)。
- id:Pinguicula ロスジェネ世代でも大半は何とかなるんだ。割食ってるのはスクールカースト下位。当時教室で行われていたように各自のポジションに沿った処世術で今も切り捨てらている。
- id:rgfx 正社員と非正規雇用その他で内ゲバしてただけだからな
「内ゲバ」と呼んで良いかは分からないが,そういう雰囲気だと思う.
既に述べたようにロストジェネレーションとは「たまたま卒業年度が同じだった他人」であって,仲間意識なんてものはないから.「内部」抗争ではない.むしろ利害は対立している.仲間意識のある集団に対する,民族差別や宗教弾圧みたいなものとは違うんだ.
- id:Sediment 日本死ねは国を相手にしてる。まだわかる。氷河期世代は主語がデカすぎて訴えづらいんじゃね? 流動的な雇用をって言ったところで、派遣で頑張れだからな。
「明確な敵がいない」というのも理由の一つだと思う.「悪役がいてそいつを倒せばデスマは終わる」なら楽なんだけど.
しかも流動性を上げるにしろ,新卒偏重を辞めろにしろ,企業側にそれを実行できる人間がいなければかけ声だけで終わる.
- id:makou 羽と手足もがれた虫みたいな世代ですもの。
- id:hiruhikoando 創成期の何が起こるのか分からない時期に兵士として送り込まれて気がつくと身体も心もぼろぼろになってたパターンがどれほど多かったか。未だに同窓会で開口一番にデパスが出てくる世代なんですよ。
- id:taruhachi 大人しくしてないと仕事が全くなかったから。完全な買い手市場の元にブラック化がどんどん進んだ。
- id:bag_end 氷河期世代は人材不足と不況によるデスマーチ案件のせいで毎日追われるように深夜まで残業したり理不尽にさらされたせいで、体か心のどちらか、あるいは両方を損なっていて暴れるどころではない
- id:hinaho 仕事もないしやる気もないし生きていくだけで精一杯なんじゃよ
- id:bornslippy 結婚あきらめたのと、恥ずかしくて同窓会に出れない以外は、背負う物が無くて意外と楽だった。ただこれからさき退職金は無いし親の介護は待ったなしだし、どうしたものか思案に暮れてる。
- id:u_eichi 闘うとかより、鬱ってた感。
- id:sayuremix 摂食障害→自殺未遂→鬱→アル中でそれどころじゃなかった。今はなんとかバイトで食ってる。休んで闘うとか給料減るからバイトでも働くしかない。まあ、ストロングゼロもあるしなんとかなるかな
- id:aienstein 若いと力と知恵も無いし、数が多いから若者同士で競い合されて、暴れる元気なんてなかった。
- id:mizukemuri 無力感はあるわな。各個撃破されたというか何というか
- id:bokmal 自称ロスジェネ・氷河期は範囲広すぎて、今はウチら悲惨ダヨネーと嘆き合ってるがいずれ細分化し(例えば70-74、75-78、79-83生、新氷河期)悲惨王座の奪い合いになると薄々わかっているので今後も団結しないだろう。
- id:htnmiki 自分のことだけで精一杯だとおとなしくなるのかな。自分のことすらままならなくなったら暴動もやむを得ないが、幸か不幸か日本はそこまでではないということか。
- id:sawarabi0130 ベビーブーム世代で人口が多い上に就職氷河期で、就職は超買い手市場だったから。失業したら生きていけない時代にデスマやサビ残等の違法労働を強要された不遇な世代。
- id:h1romi 何かする余裕が無かった。目の前の有るはずの物が全て崩れ消えた感じ、有るはずの仕事探しも必死でしがみついたし、仕事のし過ぎで病みもした。有るはずの物引きずりたくて必死で何も出来ずに時間が消えてった感じ。
- id:KoshianX 学生時代に社会に出ようとしたら片っ端から50社や60社に「あなたは要らない子」と言われ続けてみ。自己肯定感なんか吹っ飛ぶよ。
- id:cebtis この世代って逆に結果はすべて自分の努力次第という価値観が強いんじゃなかったっけ。イチローのように上を目指して努力を続けられたものだけが勝者という。冷静に見て就職率の低さはほぼ社会のせいだったんだけど
- id:afurikamaimai 努力すれば報われる(境遇は変えられる)ってのを深く内面化した反動で、ダメな境遇にいるのはお前の自己責任で自業自得だよ、ってのが本人も周囲も受け入れやすい土壌はあった気がするな。
「という印象操作をマスコミがしていた」だと思う.俺たちはバブル崩壊を目の当たりにしてたから,それで欺されるわけがない.まだ社会にも出てない学生に,バブル崩壊の責任があると思うか?
「ロストジェネレーション」という単語を広めたのもマスゴミだし,「これからはフリーターの時代だ」と行ってたのもマスゴミ.今は「フリーランス万歳」か?
しかしマスゴミを敵に回して,社会にも出てない若者にできることがあるわけがない.声を上げたところで無視されて,就活で不利になるだけ.
- id:yajul_q 学習性無気力だろう。非常に優秀な人でも就職が決まらなかった。窮状を訴えても「自己責任」で完全無視。復帰するタイミングでリーマンショック。能力、性格は関係なく、何もできないように仕向けられたといえる。
- id:straychef ロスジェネ世代とはなにか? そんなにメジャーな言葉なの?
ロストジェネレーションとは「戦争のむごさに直面して,これまでの宗教的,道徳的価値観がまったく無意味になった,虚無に陥った世代」だそうですよ.
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日本のマスコミがあとになって別の意味で使ってるけど.
- id:niemands 10年くらい前に秋葉原で殺傷事件起こした犯人が派遣労働者で、それがきっかけで派遣の労働環境改善が議論にのぼったことがあったと思う。犯人はテロのつもりではなかったんだろうけども。
米国だと銃乱射事件になるんだけどね.
そういうえばラスベガスのアレの動機はなんだったんだろう.博打で負け続けて全財産をすったとか下らない理由じゃないだろうな.
なれるSE6 「楽々実践?サイドビジネス」より
たとえば,こういう感じ.
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人類皆平等という言葉を最初に使った人間は,おそらくよほどの世間知らずか,さもなくば稀代の皮肉屋だったのだろう.
ーなどと考えたくなるくらい世界は差別と区別に充ち満ちている.
……いやぁ
凄まじいアウェイ感だった.周りの盛り上がりに反比例してテンションがダダ下がりになっていく.たとえるならあれだ.模試でE判定をくらったあと推薦合格組の打ち上げに呼び出された気分.えー,自分本当にここにいていいんですか? ていうかむしろ帰って良いですか? みたいな.
(……はぁ)
嘆息を一回,気だるげにジョッキを揺らす.
来るんじゃなかったと思う
「で,桜坂はどこに入ったんだっけ?」
「え?IT系の会社?そんな有名どころじゃない?またまたぁ謙遜するなよ.どこだよ,もったいぶるなって」
「ん……何?もう一度、……えーとスルガ……システム?お茶の水にある?……はぁ,そうなんだ.ふぅん」
気まずげに視線を逸らされ次の言葉を探される.その沈黙が耐えがたくなり,公平はひたすらビールあおった.
「ははは,知らないよね.そんな会社.だよねー」と.
(……人類はみな不平等だよ)
だいたい合ってる.
*1:まだ当時はそんな単語も無かった.あえていうなら「93年3月卒業見込の学生」くらいだな.
マスコミは「会社に束縛されない自由な生き方」としてフリーターになることを奨励していた.あんなの単なる日雇い労働者なのにな.
*2:「なれるSE」の1巻なんて正にロスジェネそのもの. 「平凡な人生を送るのは難しいーー工兵はその事実を骨身にしみて理解してきた.
だが,だがしかし,平凡な就職をするのが,これほど難しいとは思ってもみなかった.」「サラリーマンになれないということがこれほど絶望的な気分だとは思ってもみなかった.まるで自分の人間性を否定されたような,自分という存在を丸ごと拒絶された気分だった.」 http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20140303/p2
*3: 「「40代前半の層が薄い」人手不足に危機感 旭化成社長」 http://www.asahi.com/articles/ASKCK4CX1KCKULFA00S.html
*4:ただし「中高年は飢えて死ね」だが.
*5:そういう意味では局所最適化の結果.