「90年代『自分らしさ』的個性尊重主義は、いまこそ再評価されるべき」. え?

JR社員の年齢別従業員比率

うーん,「必ずしも全ての人間が大学に行く必要はない」し,「大学に行ったからと言って幸せになれるとは限らない」はそうだろうけど,全般に論点がいろいろおかしい気が.

私は大学に通っておらず、最後に出たのが無認可の専門学校なので公的な最終学歴は「高卒」ということになるが、そのことで損をしたとか惨めな思いをしたという記憶がない。

まずは就職年度か,せめてそれが91年のバブル崩壊の前か後だったかは書こうよ.*1

たとえば

  1. 大学進学を諦め,1989年のバブル末期に高卒で就職した人
  2. 大学進学して,1993年の第一次就職氷河期真っ只中に大卒で就職した人

は,仮に同い年でも同じ基準では評価できないよ.*2

この時代こそが,「大学に行っても幸せになれない」人が大量生産された世代なんだから.

「なにごとも無思考に世間に迎合するのではなく、自分で考えて、自分の意思で行動しなさい」が口癖の人だった。

じゃあなぜ「90年代『自分らしさ』的個性尊重主義」には無批判なの?


あれってマスコミが流した宣伝で,大卒じゃあゴミほどの価値も認められてなかったと思うけど.

90年代に流行した個性尊重主義は、当時の経済的豊かさの上にあぐらをかいたお花畑思想だと今となっては揶揄の対象となることも多いが、

は??

もし本当に「経済的豊かさの上に」成立したのなら,なぜバブル景気で浮かれる80年代ではなく,バブル崩壊で景気が超低空飛行している就職氷河期真っ只中の90年代だったのか?

おかしいと思わないのだろうか.



この人は高卒らしいけど,単に80年代末期に高卒でバブル景気で滑り込み,自分の同期の一流大卒が第一次就職氷河期で満足な仕事につけなかったため,結果的に同期の人たちと肩を並べられることになったのを,「学歴は関係無い」って勘違いしちゃった可能性はないのか.そこまで極端じゃなくても,大卒連中が軒並み就活に失敗し,同じく就活に失敗している自分と全く差が無くなったのを,問題ない理由だとしてはいないか.


いずれにせよ,その辺の世代の就職の話で,バブル崩壊のバの字も出ないのは異常だよ.

マーク・ピーターセンの英語のツボ―名言・珍言で学ぶ「ネイティヴ感覚」 (光文社知恵の森文庫)

マーク・ピーターセンの英語のツボ―名言・珍言で学ぶ「ネイティヴ感覚」 (光文社知恵の森文庫)

この小説の出版以降,"lost generation"と言うと,第一次世界大戦後ヨーロッパに残った,あるアメリカ作家の一群を表すことになった.戦争のむごさに直面して,これまでの宗教的,道徳的価値観がまったく無意味になった,虚無に陥った世代である.

lostは,たとえば"the lost civilization of Incas"(インカの失われた文明)のような意味もあれば,"a lost child"(迷子)のように,道に迷って正しい行き方が分からなくなったという意味もある.なぜか日本ではスタインのlost generationは伝統的に「失われた世代」と訳されてきたのだが,本当は「人生の迷子になった世代」を示している言い方である.
日はまた昇る The Sun Also Rises (English Edition)

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20091110/p1

http://b.hatena.ne.jp/entry/ta-nishi.hatenablog.com/entry/2016/10/04/141629

  • id:netcraft3 80年代?90年代にリクルートなどがフリーターの生き方を喧伝したのが今のロスジェネ世代の受難の歴史となっているので、当時の個性尊重主義は全面的な肯定はできない。個性を伸ばせる子には社会階層の影響もあるし。
  • id:kapiyvachang 全く同意できないな。金の多寡は人生の幸不幸を決めないが、解決できる問題の量を大幅に変化させる。それと同程度には出ている大学によって人生の選択肢に違いがでる。アンタのそれはただの欺瞞だよ
  • id:kurokawada ただ医師や薬剤師、学校教員にはほぼなれないし、弁護士になるのも極めて細いルートになる。実際になるかどうかは別にして最初から道が絶たれるのは辛い。国立医学部等は若年者優先主義なので改めて目指すのも辛い。
  • id:sugikota 羽生ぐらい将棋が強いかスケートが上手いならともかく、医者・研究者・技術者・法曹・高級ビジネスマンのような「身近なスター」になる可能性をわざわざ逃すこともないと思うんだけど。
  • id:usausamode 否定しないが、研究職に就くには大学行くのが早道だからなぁ。大卒が幸せと言うか、自分のような仕事を希望する可能性も考えてるだけだと思うが。金に困って無いなら良いだろうが、そうじゃ無い人には響か無いような
  • id:QJV97FCr 世の中には大学を出ないとなれない職業がいっぱいあるし、子供がそういう仕事を目指そうとしたときに金がなくてその機会を与えられなかったら親として申し訳なく感じるだろうとは思う。
  • id:privates バブル後直ぐに就職したが、高卒と大卒は仕事も給料もハンデがありありだった。大学くらい出ておかないと!はそれらを埋める手段だった。今は、入社試験の必須事項扱いかな?
  • id:beerbeerkun 高学歴者を大量に抱えた大企業が上から落ちてきてるだけじゃないの。これが今後も続くかどうかは分からんよ。間違いなく言えることは、勉強面倒くさがるヤツはどんな道を行こうがダメ。
  • id:aromabird 自分の親が与えてくれた「選択肢が多く、選ぶ事ができる環境」を子供たちにも伝えるには、一定の学歴、環境、経験は必要。自分の周りだけをみて幻想と言うのは、井の中の蛙と思う。
  • id:Fromdusktildawn 1親が中卒の場合、子供が大卒であるのは13.9% 2親が高卒の場合、子供が大卒であるのは38.9% 3親が大卒の場合、子供が大卒であるのは66.4% http://bit.ly/2dBiGoO ( http://anond.hatelabo.jp/20071231131131 )
  • id:yamadadadada2 問題はアレよな、本人が大学行きたいって言った時に行かせられる財力がないってなると一番ツラいパターンな気がする

*1:就職年度とかは,まあプライバシーでもあるからね.あんまり言いふらすもんでもない.

*2:正社員行きのレールって,こっちが渡る前に1991年にある日突然向こうから外されちゃったんだよね.その前に滑り込んだ人と,その後に取り残された人は状況が全く違うんだ.