スカスカお節とIT業界の,類似点と相違点
http://d.hatena.ne.jp/ryoasai/20110103/1294061314
だいたいあってる.orz
我々のようにSI業界で働いている人にとっては寓話的というか、教訓としていろいろなことを考えさせられる事件だと思います。
- もともと100人分の想定なのに500人分の注文を徹夜で処理(いわゆるデスマ)
- 写真をみるといかにも臨時アルバイトのような素人がおせちを作っている
- 衛生面を考えない作業場(古いPCの使用などPGに与えられる貧弱な開発環境と似る)
- 品質より第一に利益を優先
- 品質面でもともと描いていた要件を満たせない
などの点考えるとどうしても我々の業務システム開発の仕事と比較して考えてしまわざるを得ないところがあります
ただし、このおせち事件とシステム開発との間のアナロジーは完全でなく、結構違う部分もあるため解釈の上では注意が必要だと思います。
まず第一に、SI業界は多重下請け構造になっており、そもそも非常に生産性が低い構造になっていることがあります。
これは全くその通りですね.天井から目薬というか,高枝切りばさみで桂剥きというか.
第二に、多くの場合業務システムの品質が多少低くてもユーザー側は甘んじてそれを受け入れるしかないということが多いのではということがあります。
甘んじて受け入れてるだけなのか,それともそもそも担当者が味音痴なために違いが全く分かってないのかもしれない.中には「MS-Officeみたいな『使い易い』インターフェース」なんて矛盾した要件を提示する人もいるというのだから呆れ果てる.
最後に、情報システムの場合、おせち料理と違って本当のシステムの品質というのがエンドユーザーに見えにくく正しく評価されにくいということがあります。
いやこれはおせちでも同じじゃなかろうか.同じ1万円のお節でもA社のお節とB社のお節がどのくらい違うのか,材料の原価や味や雑菌の数等々.普通は分からないままブランドを信じて金を払ってると思う.その中で品質の悪いお節を提供した業者は,信用を失って来年から注文が減るだけで.
このような問題が複雑に絡んでいることで、SI業界ではバードカフェのような仕事が長いこと続けられるし、臨時のバイト店員も高級料理店の板前も評価や待遇があまり変わらないといった他の業界ではとうてい考えられないようなことも既成事実としてまかり通ってしまうのだと思います。
うん,ホントーにこれはその通りだと思う.orz
まあ一番悪いのは,そういう安かろう悪かろうのおせち料理でも,懲りずに毎年同じようにお金を払い続ける顧客の存在だと思うけどね.*1
*1:よく日本では「お客様は神様です」という.ならばその神様のご意志で全てが決まるのも当然ではないか?悪徳業者が消えるのものさばるのも,全ては神の御心のままなのです.