日本と海外エンジニアの「コミュニケーション能力」

http://d.hatena.ne.jp/anatoo/20120714/1342254336

「海外」で普遍的なものなのかはわからないけど、サンフランシスコのミートアップのイベントやスタートアップに何度か連れて行ってもらってそう思った。あっちのエンジニアのコミュニケーション能力の平均値が日本よりも数段高い。

そりゃあ,そういう場面にはコミュニケーション能力(というよりプレゼンテーション力やディベート力)の高い人が出てくるでしょう.一番能力の高い人が日本の平均より上なのは,そんなに驚くほどのことじゃないと思う.*1

むしろそこで問題となるのは「技術力がすごく高いし,論理的な議論やプレゼンテーションも得意だけど,不特定多数の人と会話するのが苦手」みたいな人も高く評価されるのか否かということ.日本だとほぼ全く評価されないが,あちらでは違うのではないかと思う.


もう一つの問題は,日本のIT業界で求められている「コミュニケーション能力」が人と対話したり,意思疎通するための能力ではないということ.言いかえると,日本における「コミュニケーション能力」とは,コミュニケーションする能力ではないということ.

ITを専攻している学生達からは、「就職時にITスキルが問われないのだとしたら、大学でやっていることには何の意味があるのか」という質問が出ていたのだけど、明確な回答はなかったと思う。その人たちは、ちょっとショックを受けていたような気がする。

http://d.hatena.ne.jp/itoyosuke/20071101/1193932945

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20071102/p1

http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/anatoo/20120714/1342254336

  • id:terazzo 客も明晰な主張をするから一を聞いて十を知るみたいな能力不要なんだろうかなあ

人と対話する能力の無い上司や顧客の「言ってない」ことを,何故か察知して読み取る能力が日本における「こみゅにけーしょん能力」という奴です.そんなものが求められるのは,日本国内くらいのものではないだろうか.

  • id:ezookojo 欧米の人は、「社交モード」のようなスイッチを持っている。これは訓練によるものであって、能力とはちょっと違う。彼らがこのモードで交流して"疲れ"ないかというと、そんなことはない。

前半はだいたいそんな感じなんだと思う.あくまで訓練して身につけるスキルの一つ.

後半は知らないけど,そういうこともありそうだとは思う.

  • id:kaionji アメリカは低コンテキスト文化で日本は高コンテキスト文化というだけじゃないのかな。

日本が高コンテキストなのは鎖国政策のおかげ.日本も国際化すると「日本は高コンテキスト文化です(キリッ)」なんて言ってられなくなる.

  • id:hidamari1993 コミュ力ってそもそもなんだ?って話をしないとなぁ。日本で求められてるコミュ力って同調意識とかで、アメリカでは組織内でも個人で仕事をこなすことができる能力みたいなものなのかねぇ。
  • id:raitu コミュ力の明確な定義のないままコミュ力を語るような自称エンジニアがエンジニアを語るこの曖昧さに全身が痒い。他山の石としたい

日本企業だとjob descriptionが極めて曖昧なのが特徴.上記のバイトの例たしかにヒドイが,他の企業も目くそ鼻くそ.「高いコミュニケーション能力」と書いてあることもあるけど,彼ら人事部は一体どの意味でその単語を使っているのかは大いなる謎.

  • id:m-matsuoka コミュニケーション能力が必要な場面には弁護士を雇うから。打ち解けているように見えるのは社交場でのマナーに過ぎないと思われ。日本人の会釈が海外で超礼儀正しいと勘違いされるのと同じ。

*1:あちらの平均的な「能力の高い」がこちらの平均的な「能力が高い」よりも上かもしれないけど,それはこの文章で提示している問題とはとりあえず関係ないので保留.

*2:クライアントならまだしも,技術の上司からコレを言われるとヘコむわ.