「従来の説はほとんどウソだった。日本でベンチャー企業が発達しない本当の理由。」

http://news.kyokasho.biz/archives/8483
http://getnews.jp/archives/314927

日本でベンチャービジネスが発達しない理由について、もっとも通俗的に語られているのは、ベンチャーキャピタルと呼ばれる投資会社が十分に機能していないという説だ。

え?そうだっけ?

  • 司法を含めた大企業優遇の社会制度*1
  • 大企業や公務員なら手厚い保護があるけれど,ベンチャーに行って一度失敗したら人生が詰む.だから優秀な人材が来ない.
  • 政府が後出しジャンケンベンチャー殺しの政策や税制を作ってくる.*2

他にもベンチャーに勤めてるというだけで,住宅ローンやクレジットカード何かでも不利になるとか,社会的な評価が低くて,家主受けも悪いからろくに部屋も借りられないとか,その他イロイロ.*3

ベンチャーキャピタル業界における最大の悩みはお金がないことではなく、「投資先がないこと」(独立系ベンチャーキャピタリスト)なのである。

そうなったのも比較的最近の話じゃないかなあ.

1980年代の土地・住宅バブルの頃なんて,「土地は絶対値下がりしない確実な投資先」という土地神話があって,その神話を信じた銀行マンたちが,後先考えずにこぞって土地に投資してたよね?


リーマンショック以降は大企業にも有望な投資先が無くなったから,しかたなくベンチャーに投資しようとした.でも今までベンチャー潰しをしてきた結果,有望なベンチャー企業が生き残ってなかっただけではないのか.

彼らがもっとも障害と感じるのは、日本では「ベンチャー企業の商品やサービスは、いいモノであってもなかなか売れない」(ITベンチャーの起業家)という現実なのだという。

これも今に始まったことではない.ベンチャーに関係無く,ずーーーーーっと昔から言われていたと思う.

ルネサスエレクトロニクスの例に代表されるように、大企業は失敗しても国が救ってくれる。だがベンチャー企業は、誰からも支援を受けられず失敗したら破産を強要されるだけである。多くの人がチャレンジしないのも当たり前である。

JALの倒産とかオリンパス事件とか,JASRAC独禁法違反事件とかもな.

アベノミクスによって景気回復の期待感が膨らんでいる。だが、たとえ景気が回復しても、日本のベンチャービジネスの環境が大きく変わる可能性は低いままだろう。

「景気が回復すればなおさら」だと思う.

そうなったら投資先を既存の大企業に戻すだけなのだから.

*1:オリンパス事件とか東電原発事故とか.一方でライブドア事件とか.

*2:ベンチャーで無くても「発泡酒税」とか「蒟蒻ゼリー禁止」とか検討してたくらいだからね.

*3:「結婚相手がいない」というのもあるかもなー.弁護士と医者のドラ息子とベンチャー企業経営者とプログラマー.結婚相手に選ぶ順序は,だいたい挙げた通りになるだろう.プログラマーくらいになると相手の親に反対されても驚かない.どれほど口ではきれい事を言っていても,イザ結婚するとなると本音が見えてくるのです.