プログラミングスキルがあれば学歴なんていらない……か?

うーん,すごく胡散臭い.


そもそも起業するのが日本なのか米国なのか.国籍は日本なのか.その場合米国のグリーンカードや労働VISAは持っているのか.この辺で状況が大きく変わるんだが.*1

米国永住権を持ってて米国で起業するならそれもありかもしれない.日本国内だとリスクが大きすぎる.大学くらい行っとけ.新卒カ−ドは一回こっきりなんやで.中高年フリーター問題とか知らんわけでもあるまい.
米国でも大学院行きながら起業とか,大学院の研究ネタをコア技術に起業とかあるよね?大学行かないだけの積極的な理由がない.


次に「プログラミングスキルがあれば」という前提条件が既に怪しい.あんた,プログラミングスキルなんて全くないでしょ.*2
未経験者がちょっとお試しで作ってみただけで,ろくにテストもデバッグもしてないのに自分でもできるんだと過大評価してない?「でもTECH::CAMP受講後に自分一人でサービスを開発できることが分かったので、大学には進学しないことにしました。」なんて言われたら,知人だったら絶対に考え直すよう説得すると思う.


さらに行動力や人脈についても疑問だ.

実家の近所にプログラミングの授業を行っている進学校があるので、校門の前で待ち構えて道行く高校生に「プログラミングをやっていますか?」と話しかけまくりました(笑)

なんで高校生なんだよ.しかもよりによって「進学校」?進学校なら大学受験に忙しくて,女子高生の「起業ごっこ」なんかに付き合ってられんでしょ.狙う相手を完全に間違えてる.*3

そこは情報系を履修している大学生に声かけるべきシーンではないか.それができない理由は何?まさか男子大学生に声かけるのが恐いとか?大学生を口説き落とすこともできずに,プロの大人のベンチャーキャピタル口説き落とせるだろうか?

最終的に「中学生の方が勉強が忙しくないから中学生を誘ったら?」と言われてしまいこれではダメだと進学校でのリクルーティングは諦めました。

それはあまりにバカバカしくて,厄介払いされただけなのでは...

Seekle (シークル)というサービスを開発しています。

Seekle (シークル)は何か趣味をみつけたい、ハウスクリーニングを頼みたいなど、様々な要望をお持ちの方々と様々なジャンルのプロを繋げるマッチングサービスです!
http://seekle.jp/

あれこれクラウドワークスと何が違うんだ.

転職サイトとかお仕事マッチング サービスとかって,そのサイトへの信頼度も重要なんだけど,高校生が試しに作ってみましたってサイトにどれだけの人が個人情報を預けてくれるだろう?

「そういうニーズがあったので作った」というならともかく,「オレの考えた最強のクラウドワークス」じゃあ一人も利用者がいないまま終わる可能性もあるぞ.

それにセキュリティは大丈夫か?素人が作っただけにセキュリティホールを突かれて個人情報が漏れたら,お詫びすることもできずにそのままサイト閉鎖のリスクも.

学歴も起業家として生きていくならもう必要ないですしね。

  • 「学歴」は必ずしも必要ないかもしれんが専門知識が必用な場面は多い.
  • 経営者として信用を得るためにも,学歴は最もお手軽な武器.
  • 起業のために必用となる軍資金を稼ぐためにも,学歴くらいないと.
  • そもそも今後も起業家として生きていける保証はどこにあるの?運転資金が底をついたらどうする?

プログラミングも経営についてもまだまだ勉強中ですが、Seekleで必ず成功できると確信しているのでこれからも頑張ります!

この自信はどこから.むしろビジネスモデルの段階で不安いっぱい.

若さは挑戦できる最大の特権です。人生挑戦した者勝ちです。

それは勝ってから言っても遅くないと思う.日本国内だと,新卒チケットは若者の最大の特権.

それにその理屈だと,ひょっとして「プロ野球目指すために野球の名門校に入って甲子園を目指す奴」は,挑戦してないことになるのかな.

http://b.hatena.ne.jp/entry/s/medium.com/@ihayato/596811c552aa

特にGoogleは大学で研究してたアルゴリズムを実装したんじゃなかったっけ.
Google PageRankの数理 ―最強検索エンジンのランキング手法を求めて― Google's PageRank and Beyond: The Science of Search Engine Rankings (English Edition)

  • id:gumkam 「いらなかった」なら分かるんだけど、「いらない気がする!!」って目を輝かして言われても。

激しく同意.

  • id:goingzero 大学行きながらでもフリーでプログラマぐらいやれるのに、絶賛しなくてもと思ったら、案の定イケダハヤトのフリーランス・独立賛美記事でした。フリーランス薦められて後悔した奴らにトマトぶつけられればいいのに!
  • id:ant0720 極論だなあと思って記事を開いたらイケハヤだったでござる。
  • id:crosscrow 「イケダハヤト」/わたしはそっとページを閉じた
  • id:whoge なんだ、イケハヤか
  • id:lisa-rec 数年前新聞に載った高校進学せず起業したIT少年は、自らCEOを名乗り、立派に見えるトップページを作っただけでサービス開始は出来ていない。/ ちやほやする悪い大人に騙されないといいね。
  • id:wh11e7rue こういう記事は後でしっかり末路を追記してくれよ
  • id:kirifuu 三年くらい続けて実績が出てから話して欲しい。これ読んでも、あー頑張れば? くらいしか思えないだろ。

90年代の第一次就職氷河期にあった,マスコミの「フリーター万歳」な記事と同じ臭いを感じる.

  • id:yuriyuri14 あー、「ググッて」なんとかなると思ってるんだ。自分の子供ならぶん殴ってでも止めるね。もしかしたら一回は成功するかもしれないけれど、人生は“その先”も続くからなー。
  • id:howdy39 必要になった時に調べる方式だと基礎力が足りなくなりがちで本質を理解できてなかったりする。 そういう所って会社で教えてくれないしね。
  • id:natu3kan 大学や専門学校ってその業界に入った友達とのコネとかになったりする。コネ作れる人はどんなとこでも作るが。自分と信頼できる知り合いのチームだけで収益つくれるサービス作る見込みもないのに起業はリスキーかなあ
  • id:suthio 大学行きながら企業っていう選択肢もあると思う。このままだと闇堕ちしそう
  • id:kenjou 大学に進学しつつ起業してもいいわけですし、進学をやめる理由も意味もさしてないような。
  • id:Nilfs 普通に勉強しながらプログラミングやればいんじゃ。。。
  • id:rainbow_doll Railsか。学生時サービス開発しようって校門で女子に話しかけられたら俺ならついてったのに。

それこそ「女の子の友だち紹介してあげるから」で工学部の男子大学生と交渉もできない時点で詰んでると思う.本当に行動力があるのなら友だちを売ってでも人脈広げないと.数少ない武器なんだからさ.

一度大学内に食い込めば,「オレの先輩の彼女の友だちに頼まれたんだけど,お前が今研究してる深層学習のライブラリの使い方について相談にのってやってくれない?」みたいな形で人脈を広げることだってありえなくもないし.

http://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.mu/ihayato/n/ne56d3a3c4a27

  • id:naoya2k 技術を漁っていて球面調和関数やナビエストークス方程式が出てくる度に、大学でちゃんと数学を勉強しておけばよかったと後悔するのだが。大学で何も勉強せず遊んでた奴らが学歴要らないと言ってるのはアホだろ。
  • id:penpen-0704 飛び級で卒業できるくらい優秀なら尚更大学に行っておいた方が良いと思う
  • id:yagitoshiro 典型的な若者応援おじさん案件、これじゃH1Bのビザ取れないじゃん:
  • id:camellow イケハヤ師が文章化してるだけで「あーあちょっと高校レベルの勉強のできる小娘が吹き上がっちゃってるよ。どうせクソみたいなベンチャー作って終わりだろ…」と思ってしまったのでイケハヤの影響力は絶大

POSTD「倒産した技術系スタートアップ企業から学ぶ7つの教訓」

http://postd.cc/lessons-from-a-failed-tech-startup/
ついでにメモ.

レッスン1:前にいた会社の他の職務に対する過小評価

独立すると、販売とマーケティングに自分の時間の50%以上を費やして、お金を集めたり、取引をしたり、勧誘電話をかけたり、何でもしなければなりません。成功した起業家は大抵そうしています。彼らは積極的にチャンスを追い求めているのです。

GoogleFacebookのような企業は、めったにない例外です。

レッスン2:お金は大切

しかし、2年半の間、給料無しで貯金生活を送ると、お金がいかに大切か分かってきました。外食したり、服を買ったり、何か楽しい事をしたり、旅行にいったりする度に、私は次第に減っていく当座預金残高のことを考えたものです。ほんの一瞬考えただけですが、いつも頭の中にあり、時間が経つにつれ、どんどんひどくなっていきました。

レッスン3:それを作っても、彼らはやってこない

成功しているソフトウェア製品の多くは、最低限必要なユーザ数を獲得するために何年もかかっています。金をもうける代わりに、ユーザを集めることに集中しようとすれば、長い滑走路を準備するためにとんでもない額のベンチャー資金を調達しなければなりません。

レッスン4:チーム構成は重要

YCombinatorとTechStarsがチーム構成は重要だと繰り返し伝えていましたが、私はいつも、間違っているのは彼らで、自分は創業者として独力で必ず成功するに違いないと思っていました。

YコンビネーターFounders at Work 33のスタートアップストーリー

でも問題があります。レッスン3の理由から、ビジネス業務に専念する人が必要になることです。1人は一日中コードを書いて製品のことを考えます。他の1人は、その製品のところまでユーザを誘導することを考えなければなりません。マーケティングと販売はフルタイムの仕事にすべきなので、その分野への情熱と経験のある人が必要です。

レッスン5:欲張りすぎないこと

驚くべきことに、その製品は1年で動作可能になりました。でも、バグを全て潰すことはできませんでした。あまりに複雑なので、オフラインでのIMAP同期は悪夢のようでした。

新しい製品を作るときは、欲張りすぎないようにしましょう。機能を増やせば増やすほどユーザの食指が動くというわけではありません。ニッチなニーズに焦点を絞り、ユーザが本当に欲しがっているものを提供する方が得策です。

レッスン6:他人の問題を解決しよう

これはレッスン5に密接に関係します。自分たちが「クールな製品」になるだろうと思うものに焦点を絞るのはやめて、他人の現実的な問題、理想的にはお金になる問題の解決に集中しましょう。いくつかの目的が果たされます。

レッスン7:会社に自尊心を支配されるのは危険

でも、大企業を離れて起業すると、困難を極める数多くの状況や問題に直面します。起業に関わる試練や苦難から自己イメージを切り離す方法を見つけなければ、惨めになるだけです。

仕事が自分そのものになるのです。1つの仕事、1つのプロジェクトに多くの時間を費やし、自尊心の観点から1つのことにすべてを賭けるようになります。ですから、会社がうまくいかなかったり、ビジネスがうまくいかなかったりすると、落胆し、やる気をなくし、それが致命的な問題になることもあります。

*1:「帰国後日本の高校には戻らず、TECH::CAMPを受講。」ということは日本国内なのか...しかもひょっとして高校中退?うーん.

*2:あとで書くように情報系を専攻している大学生/大学院生との人脈を作ることには,自分の知識やスキルを冷静に見つめ直すという意味もある.彼らを納得させられるだけのプログラミングスキルもないようでは,起業はおぼつかないと思う.

*3:これ見方を変えたら「大学進学を諦めて引きこもってる元女子高生が,大学進学目指して受験勉強している現役高校生を悪い遊びに誘ってる」ようなもんだよね.下手すると学校や親御さんから苦情が来るぞ.
大学進学を諦めた人とそうでない人だと立場や価値観が異なる.経営者を目指してるなら,その点には敏感でないと将来困ることになると思う.