名ばかり技能実習生:今そこにある奴隷貿易問題メモ
- 「外国人技能実習生に起こっていることは「現代の奴隷制度」なのか」 http://dailynk.jp/archives/38483
- 「今そこにある日本版「アパルトヘイト」の現実」 http://dailynk.jp/archives/38817
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20150404/p1
- 作者: 安田浩一
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時給300円、残業代なし、1日15時間以上の連続労働、土日祝日の休みなし、強制貯金、携帯電話電話所持禁止、中国への電話は社長の立ち会い、外から鍵をかける寮(冷暖房なしのプレハブ小屋)、勤務中トイレに行くと1回100円の罰金、という信じられないような条件で働かされていました。それでも我慢して働いたのは、中国の人材派遣会社に500万円の借金をしているためだったと言っていました。しかし、あまりの長時間労働で過労死してしまうと思い、集団で脱走したそうです。
読んだ.かなり読み応えあった.酷いことするねえ.血も涙もないとはこのことか.
だがとても親近感がわくのも事実.
経営者「え?中国人にも,ちゃんと給料を払う必用があるんですか?」
「もちろんです!」
経営者「ナ,ナンダッテーーーー!!」
みたいなやりとりが,もうね.どこのIT業界なのかと.
そういう経営者は,中国人を対等な人間とは見ていないんですよ.
- 作者: 安田浩一
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「題名からミステリー本と誤解されるかもしれませんが、そうではありません,」
たんねんに取材した現実の話です。
「2006年8月18日、千葉県木更津市の養豚場で殺人事件が発生した。被害者は62歳の団体職員。加害者は26歳の中国人青年だった。」
この本はこういう書き出しで始まります。加害者は来日して4ヶ月の研修生、被害者は千葉県農業協会という研修生をあっせんした団体の職員でした。
著者は、背後にある研修制度の奥底を探るために、熱心に取材を続けます。
ナイフによる殺人を犯し「申し訳ないです。死にたいです」とふるえながら話す研修生と木更津拘置支所で面会し、現場となった養豚場に出向いて経営者と会い、最低基準以下の過酷な労働条件・低賃金に抗議したら「強制帰国」させられることになりそれに抵抗しようとした被告がナイフを振るってしまったという事件の概要をつかみます。
さらに千葉県農業協会の職員を訪ね、同じ事件で切られた通訳兼プロモーターの中国出身女性に話を聞き、中国・チチハルに飛んで両親・兄弟と会い、研修生を送り出す現地の訓練センターを訪ね、監督官庁の当局者に事情を聞こうとして拒絶されるなどしながら、隠された真相をつかんでいきます。
こうして研修生を送り出す家族の事情と奴隷労働を拒めない理由(拒めば強制帰国させられて、保証金も没収、膨大な借金だけが残る)、中国当局の姿勢(人身売買まがいのビジネス、労働争議禁止)、さらに労働者としての最低基準すら認めない時給300円以下、長時間残業・休日労働強制、「タコ部屋」の奴隷労働によってコストを下げ、競争にうち勝とうとする日本企業・雇用主、冷酷にぼろ儲けしようとするあっせん団体、大労組幹部OBや地方議員の実態、背後で支える日本経団連や連合の姿がリアルに暴かれていくのです。これは資本主義の腐りきった搾取構造そのもの。ほんとうに怒りなしには読めません。でも知らなければならないこと。おすすめします。
http://www.amazon.co.jp/review/R1NK6FN9Y4FOX4/
上の本にも概要は載ってた.そりゃ一族郎党のたれ死にするかの瀬戸際なら,必死で抵抗もするだろうさ.
とりあえず,ついでにメモ.
「日本が外国人労働者に見捨てられる日」
http://diamond.jp/articles/-/69904
にもかかわらず、いつの間にか人手不足解消のためといって、実習制度が濫用されている。これは、実習生たちにとってのみならず、実は日本企業にとっても深刻な弊害があるのです。
――どういうことでしょうか?
?たとえば、造船業界は今や、韓国や中国と熾烈な競争をしていますよね。これは、日本で技術を学んだ人たちが、自国の造船業を発展させたからなのです。
劣悪な労働環境がしばしば社会問題となってきました。しかし、多くの日本人は「それでも彼らは自国で働くよりは、日本に来て外貨を稼ぎたいのだ」と理解しているのではないでしょうか。以前はその通りでした。しかし現在、状況は急速に変わり始めています。
技能実習生の国籍トップ3は中国、ベトナム、インドネシア。次にフィリピン、タイと続きますが、いずれも急速に経済発展を遂げています。80年代なら、日本との賃金格差は30倍にも及びましたが、今はせいぜい10倍程度でしょう。それに加えて、昨年から急速に円安が進みました。日本で得られる仕事は、最低賃金レベルのものばかりですから、彼らにとって賃金面の魅力は色あせてきているのです。
それと中間でのピンハネが酷いのもIT業界と同様.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080525/p1
こうなるのも時間の問題かも.
「中国の物価が洒落にならない高さになっていた」
http://portal.nifty.com/kiji/150406193155_1.htm
これが事実なら,中国人技能実習生という名の奴隷問題にも影響を与えることになりそう.
さらに牛乳も、昔は1リットル100円強で買えた記憶があるのに、今や安くて200円、高ければ350円くらいのもある。中国産の牛乳でこれだ。輸入品はそれ以上に高い。
なんだか日本の高級スーパーかデパ地下にいるような気分だ。でも地元の人々のための庶民的なスーパーなのだ。
スーパーでの食材が高くて、中国人の給料も上がっているということは、外食も今まで通り安く済むわけが無く、中国で日本円をもらって生活する人はかなり物価高に悩んでいるのだ。
知り合いの中国人に「物価の上昇と給料の上昇とどっちが変化がすごいのですか?」とたずねたら、「決まってるだろ、物価だよ」と言われてしまった。どうにも中国人は日本で爆買旅行をしているというニュースを聞く割にはしんどそうだ。
「なぜ西アフリカ諸国は奴隷貿易に加担したか」
「「まるで奴隷!」 フィリピン人が大阪の介護施設を集団提訴へ」
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2502989.html
追記
フィリピン人女性9人が大阪府東大阪市の介護施設で『奴隷のように働かされた』などとして、施設の運営会社に対し、損害賠償を求めて27日に集団提訴することがJNNの取材でわかりました。
訴えを起こすのは、フィリピン人の川村シンチアさん(45)ら9人です。代理人などによりますと、川村さんらは、日本人男性との間に生まれた子どもについて、『日本国籍を取れるようにする』などと勧誘されて来日し、東大阪市の介護施設「寿寿」で介護士として働いていました。
しかし、実際に国籍取得の手続きはされず、事前に説明されていたより低い給料だった上、渡航費用などの借金を天引きされたということです。
「借金が終わらなかったら、仕事を辞めることはできない。子どもが病気の時に(私が)連日、勤務だから(誰も)めんどうをみてくれない。同じ人間として見てほしい」(提訴するフィリピン人女性)
また、『自分が死んでも会社は責任を問わない』とする権利放棄書にも署名させられ、人格権を侵害されたなどとしてあわせて数千万円の損害賠償を求めています。
この介護施設を巡っては既に元従業員の女性1人も提訴しています。施設側は『担当者が分からないため答えられない』と話しています。(27日11:37)
予想されたとおりの展開になってる.
こういう経営者が放置されることが経営者の甘えに繋がる.ビシバシ法の裁きを受けさせてやってください.
- 47ニュース「死亡しても会社の責任問わず フィリピン人採用で誓約書」 http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014071201001954.html
- 「“死ぬまで働け”と誓約書を書かせた「ブラック介護施設」 暗躍するブローカーは増加必至」http://biz-journal.jp/2014/08/post_5586.html
- 「誓約書に「死んでも責任問わない」 フィリピン人女性が提訴した〝ブラック〟?介護施設の実態」http://www.sankei.com/west/news/150105/wst1501050008-n1.html
- 「介護施設の外国人元職員が提訴 賃金未払いや誓約書提出」http://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201411/0007541208.shtml
同じ施設かな?つか始めてじゃなかったんかい...
大阪や奈良で介護施設を運営する大阪府東大阪市の会社が、フィリピン人女性の採用時に提出させた「権利放棄書」の一部だ。
法的拘束力はないものの、業務中に死亡した場合に会社側を免責する内容が英語と日本語で記されている。会社は「あなたを守る書類だ」と説明し、サインを求めたという。
が、間もなく夢は〝悪夢〟に変わる。
契約時に「日勤のみ」の約束だった勤務は、日本語が得意でないという理由で夜勤ばかりを割り当てられるように。しかも午後10時から午前6時まで「1人体制」。20人以上の要介護者の面倒をみなければならず、一睡もできなかった。何日も続けて夜勤が入るため、長女がアパートで1人で寝起きするような生活が続いた。
ワンオペ...ファーストフードやないんやで.
さらに24年11月、施設から会社の事務所に向かう際、自動車にはねられる事故に遭遇。足や腰をけがしたが、会社からは労働災害として扱われず、「いつまでも休むな」と早々に復帰を命じられた。休業を申し込んでも「借金が残っているうちは休むな」と一蹴されたという。
石原さんの場合、会社からは60万円の借金があると言われ、月々の給与から「返済金」として2万円、「積立金」として1万円を天引きされていた。給与水準は日本人職員よりも低く、最低賃金以下の時給800円で働いていた時期もあったという。「借金を返すまで自由になれない」。それが会社の方針だった。
こうした厳しい管理下でも働き続けたのは、子供の日本国籍取得という目標があったからだった。しかし、国籍取得の援助は一向になく、精神的に限界となり、「借金が残っているうちは仕事は辞められない」と脅されながらも昨年4月に退職。弁護士に相談し、「子供の国籍が取れると欺かれ、過酷な労働を強いられた」として、会社に慰謝料など約580万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
日本人で言う「正社員に採用される予定」という口約束だけの「紹介予定派遣」って奴ですね.日本企業だと良くあること.
「外国人技能実習生、労災とまらず千人超 過労死手続きも」
http://www.asahi.com/articles/ASH784WBYH78OHGB00D.html
追記.
政府が受け入れ拡大を図る外国人技能実習生の労災事故が、2010年に労働環境に配慮し制度が見直された後も増えており、13年度に初めて1千人を超えた。東海3県が上位を占め、岐阜では異例の過労死認定へ手続きが進む。
実習生の受け入れ団体や企業を指導する国際研修協力機構(JITCO)のまとめでわかった。機構が把握する労災事故は1993年度の制度導入から受け入れ拡大とともに増え、13年度は1109人に達した。
13年度に労災事故にあった人の国籍はアジアに集中し、中国705、ベトナム156、インドネシア118、フィリピン86。都道府県別では愛知が129と最多で、三重71、広島64、岐阜60、大阪58と続き、東海3県をはじめ製造業が盛んな地域が目立つ。
長時間残業による実習生の過労死も出ている。茨城県のめっき加工会社に勤めた31歳の中国人男性の過労死を、労働基準監督署が10年に認定。厚労省が統計を取り始めた11年度以降の認定はないが、朝日新聞の取材では、岐阜県の鋳造会社で働き27歳で心疾患で急死したフィリピン人男性の認定へ手続きが進んでいる。
JITCOは受け入れ側に「日本語の理解や作業上の危険情報の不足が原因で労災が起きたケースもある」と配慮を求めている。