PC遠隔操作ウイルス事件の容疑者逮捕(その11)

いろいろメモ.

更新が遅れてる間に,なんか急に動き始めた.おかげでこっちも全然まとまってない.


いろいろ動き出した割には,捜査自体は「振り出しに戻る」.いまだに何も進んでないようだ.

「PC遠隔操作事件】「罪証隠滅のおそれ」って何?〜名(元)裁判官・原田國男氏が語る”裁判官マインド”」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130601-00025384/
メモ.

片山氏の逮捕以後、裁判所は一貫して検察側の主張を受け入れてきた。弁護側は、何度も片山氏の勾留決定に対する異議申し立てをしてきたが、裁判所は「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」「逃亡すると疑うに足りる相当な理由」があるなどとして認めなかった。さらに、裁判所によって、片山氏が弁護士以外とは面会できない接見禁止の指定がなされた。弁護人が、母親との面会を認めるように求めたが、検察側はそれが「罪証隠滅」につながるおそれあるとして反対。裁判所もそれを追認した。

この事件では、片山氏の自宅にあったPCはもちろん、スマートフォン、勤務先のPC、江ノ島の監視カメラ映像など、重要な証拠はすべて捜査機関が押さえ、分析していて、今さら証拠隠滅をやりようがない。なのに、検察のみならず、本来はそれをチェックすべき裁判所までが「罪証隠滅のおそれ」を認め続けている。

裁判官たちの頭の中では、どのような「罪証隠滅」が想定されているのだろう…。いったい、彼らはどういう「おそれ」を怖れているのだろうか…。

法律論としては、「罪証隠滅のおそれ」は抽象的なものではいけない。具体的な罪証隠滅のおそれでないといけないんですよ。でも、さて具体的にって言われても、なかなか難しい。

で,その後に具体例があるわけだけど,それだったらちゃんと証拠固めしていたら不要なわけですね.警察の捜査に漏れ抜けがあるから,「可能性」が出てくるわけで.言い換えると警察がきちんと仕事をしていれば起こるはずがない「おそれ」なわけです.

もちろん人間だからそういうミスが起こりえるものだけど,「警察がミスを起こしたかもしれないから,容疑者にその尻ぬぐいをさせましょう.裁判所も共犯です」というのは,何かが根本的に間違ってはおるまいか.

保釈になると、逃げちゃうかもしれない、という心配がある。建前としては、「逃亡のおそれ」がないことは、保釈の要件ではない。それについては金額を高くして保証することになっているので、保釈の是非を判断する時に逃亡のことは考えちゃいけない。でも、裁判官の本音としては、保釈してずらかられたら困るって思う。自分の判断によって事件をつぶしちゃうことになるから。

その点では、実はヤクザが一番安心なんですよ。特に、親分が保釈金を出している場合、子分は絶対に逃げない。親分に迷惑かけちゃったら大変だから。以前、あるヤクザの幹部が、「お願いします。絶対に逃げない。女の面倒をみておきたい。子分の手当もしておきたい」と必死に訴えるので、保釈金をかなりの高額にして保釈した。彼は保釈になった間にいろんなことが全部整理できたらしく、収監される用意して法廷に出てきた。判決はかなり重い実刑だったけど、「ありがとうございました」と感謝して刑務所に行きましたよ。

かわいそうなのは、無実で、大して重い犯罪でもなくて、孤立無援で、金を持ってない人。こういう人が、身柄とられてずーっと判決までそのままきちゃう。僕が無罪書いた被告人の中にもそういう人が何人もいた。僕も、保釈しなかったからね。

否認していると、「罪証隠滅のおそれ」で出られない。保釈もされない。「罪証隠滅のおそれ」というのは、そうやって、いろんな場面で使えるババみたいなカードなんだ。

日本の刑事司法は『中世』か

http://koike-sinichiro.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-99bb.html
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1763287.html

こういう魔女裁判をやってるんだから,まさしくその通り,中世だと思います.

主要紙が三者協議を黙殺―PC遠隔操作事件・5か月目の報道検証(上)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/yanaihitofumi/20130622-00025879/

「送検=起訴見込み」という誤謬―PC遠隔操作事件・5か月目の報道検証(中)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/yanaihitofumi/20130623-00025898/

佐藤「それで検察官が起訴・不起訴を決めるので。一般的には書類送検っていうのは逮捕・勾留ができない事件ですよ。だからメッセージとしては、その事件については検察官が不起訴処分で終わってもらっても構いませんっていうメッセージだと、我々理解しているわけです。…(略)…」

だが、「追送検は追起訴の見込みがあってなされるもの」という思い込みが、図らずも露呈してしまったようだ。

しかし、このような誤解ないし潜在意識は、別にこの記者に限ったことではないのではないか(私の主眼は、この記者個人のことを取り上げたいのではなく、あくまで一つの象徴的事例と理解していただきたい)。というのは、すでに6月4日や10日の「追送検」を報じた際、主要各紙がこぞって「立件」と書き立て、犯罪報道の闇の部分を見た思いをしたからである。

「送検」を「立件」と同視した報道の数々

6月4日、捜査本部は、昨年の誤認逮捕事件の一つである、横浜市への小学校襲撃予告事件について片山氏を追送検した(「追送検」はマスコミ用語で、正確にいうと、捜査書類を証拠とともに検察官に送致した)。その際、各紙は、これで昨年の4人の誤認逮捕事件の「全てが立件された」などと一斉に報道。このうち産経新聞は、今後は「ウイルス作成罪の立件焦点」との詳しい解説を付け加え、時事通信も「ウイルス作成罪の立件を検討」と伝えた。

「PC操作、片山容疑者を追送検 誤認逮捕全てで立件」

http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013060401002238.html

パソコン(PC)遠隔操作事件で、警視庁と3府県警の合同捜査本部は4日、他人のPCを遠隔操作して横浜市のホームページに小学校の襲撃予告を書き込んだとして、威力業務妨害の疑いで元会社員片山祐輔容疑者(31)=ハイジャック防止法違反罪などで起訴=を追送検した。

 襲撃予告事件では、神奈川県警がPCを遠隔操作された男性(20)を誤認逮捕。今回の追送検で、片山容疑者は誤認逮捕があった4事件全てで立件された。

 追送検容疑は昨年6月29日、男性のPCを遠隔操作し、横浜市のホームページに、小学校を名指しした上で「ガキどもを皆殺しにしてやる」などと書き込むなどした疑い。

「PC遠隔操作:「謝罪じゃ足りない」誤認逮捕大学生の父」

http://mainichi.jp/select/news/20130604k0000e040242000c.html

パソコン(PC)遠隔操作事件で、神奈川県警が誤認逮捕した男性(20)の父親が毎日新聞の取材に応じ、「警察は当初から犯人と決めつけ、取り合う意思もなかった。謝罪じゃ足りない」と胸中を吐露した。警視庁などの合同捜査本部は4日にも、この事件について片山祐輔被告(31)=一連の誤認逮捕事件で逮捕、起訴=を威力業務妨害容疑で追送検する。【荒木涼子、喜浦遊】

 大学生だった男性が同容疑で突然逮捕されたのは昨年7月。横浜市のホームページ(HP)の投稿欄に「市内の小学校を襲撃して皆殺しにしてやる」などと書き込み、授業参観を中止させたというのがその理由だった。

 神奈川県警などの説明によると、男性は当初は否認したが、逮捕の3日後には容疑を認める上申書を提出。その後また否認に転じたものの、再び容疑を認めたという。

 父親は面会を繰り返した。「3〜4回だったでしょうか。やってもいないのに、(私たち)親が『お前、やったのか』って聞くんです。それは(息子にとって)厳しいことだったでしょう」

 無実が証明され、男性の保護観察処分が取り消された後の昨年10月、父親は報道陣に向けた手記で「最も悲しいのは、親が息子の無実を疑ってしまったこと」と書いた。その時のやりとりは今も「息子と私、家族のトラウマ」という。「警察や検察が謝罪に来ました。でもそんなもんじゃ足りない。後をどうしてくれるんだ」

 誤認逮捕が発覚すると、男性の実家のある山あいの住宅地には多くの報道陣が集まった。メディアに対しても「ここには人間関係があるんです。そんな中、(自宅に)押しかけられて。責任を持って伝え続けてくれることはしない。報道はあまりに一過性だ」と憤る。

 無罪を主張している片山被告について尋ねると「いずれ判決が下ると思いますが、私たちには関係のないことです」と話し、こう続けた。「もう終わったのです。そう思わないと生きていけない」

「遠隔操作事件 捜査終結へ」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130610/k10015200281000.html
http://mainichi.jp/select/news/20130611k0000m040085000c.html
http://slashdot.jp/story/13/06/11/0420216/

パソコンの遠隔操作事件で、逮捕・起訴された男が、一連の事件で使われた遠隔操作ウイルスを誤認逮捕された男性らのパソコンに感染させたなどとして、追送検されました。
これで、一連の事件の捜査は終結することになります。

追送検されたのは、東京・江東区のインターネット関連会社の元社員、片山祐輔被告(31)です。警視庁などの調べによりますと、片山被告は、一連の事件で使われた遠隔操作ウイルスを、去年7月から9月にかけて、誤認逮捕された男性3人を含む合わせて6人のパソコンに感染させたとして、不正指令電磁的記録供用の疑いがもたれています。
これまでの調べによりますと、片山被告は遠隔操作ウイルスを仕込んだ無料のソフトをネット上で公開し、ダウンロードさせていた疑いがあるということです。
また、片山被告は、去年8月、誤認逮捕された男性らとは別の男性のパソコンを遠隔操作して、ネットの掲示板に女性アイドルグループへの襲撃予告を書き込んだとして、威力業務妨害の疑いでも追送検されました。
片山被告は、これまでに7件の事件で逮捕・起訴されるなどしていて、10日の追送検で、一連の事件の捜査は終結することになります。
片山被告は、一連の事件について「全く身に覚えがない」などと、一貫して関与を否定しています。

「ウイルス供用容疑で追送検=片山被告は一貫否認−PC遠隔操作立件終結・警視庁など」

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013061000547&g=soc

遠隔操作ウイルス事件で、警視庁などの合同捜査本部は10日、ウイルスを男性6人のパソコン(PC)に感染させたほか、アイドルグループの襲撃予告を書き込んだとして、不正指令電磁的記録(ウイルス)供用と威力業務妨害の疑いで、元IT関連会社社員片山祐輔被告(31)を追送検した。
 4都府県警が男性4人を誤認逮捕した一連の遠隔操作事件は今回で最後の立件となる。ウイルスの作成容疑でも捜査したが、片山被告から具体的な供述が得られなかったとして立件を断念した。
 片山被告はこれまで日航爆破予告など計7事件で逮捕、起訴され、横浜市の小学校襲撃予告と今回の容疑で追送検された。同被告は2月に逮捕されて以降、一貫して容疑を否認している。(2013/06/10-20:22)

「PC遠隔操作ウィルス事件 「警察の敗北宣言」で見えたIT捜査の稚拙さ」

http://news.livedoor.com/article/detail/7761221/
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1764693.html

最初から分かっていたことだけどね.*1

片山被告が関わったとされる事件は、当然ながら全て遠隔操作ウイルスが絡んでいる。にもかかわらず、肝心のウイルスの出どころが解明できなかったのは致命的だ。確かな物証を得られないまま捜査が終了したことは、警察の事実上の敗北宣言ともいえるが、これについて捜査関係者は「片山被告が取り調べを拒否し、供述を得られなかったため」と説明している。

だが、これは事実と異なる。片山被告は取り調べそのものは拒否しておらず、あくまで「録画・録音しなければ取り調べに応じない」と頑なに主張していただけだ。それを拒んで実質的に取り調べを拒否していたのは当局側である。

「証拠が完全にそろっていない状態で見込み逮捕し、取り調べで心理的プレッシャーを与えて自白を引き出すという昔からの手法から脱却できていない。取り調べ可視化は現在議論中の案件ではあるものの、実際にこういった自白ありきの案件で録画・録音されて困るのは捜査側。そんな強引な取り調べは現在も行われている。たび重なる再逮捕で4ヶ月も勾留し、彼の社会的地位を脅かすことでプレッシャーを与えたが、片山被告は最後まで折れなかった」(週刊誌記者)

この事件では、遠隔操作ウイルスに感染した男性4人が誤認逮捕され、うち2人が無実にもかかわらず犯行を認めて『自白』している。一部報道では、逮捕された男性の父親に検察が絶縁状を書かせ、それをネタに自白を迫ったと伝えられている。同じく誤認逮捕されたアニメ演出家の男性は「認めれば罪が軽くなる」と持ちかけられたと証言しており、違法な利益誘導による取り調べが行われていた可能性も指摘されている。結局、警察のIT捜査の稚拙さをカバーすることができず、強引に自白を迫るというアナログ手法から抜け出すことができなかったのだ。

事件は今後、法廷に場を移して争われることになるが、こちらも異例ずくめになっているという。

「先月、弁護側と検察による1回目の公判前整理手続きが東京地裁で行われましたが、検察側の書面には事件と片山被告のつながりが記載されていなかった。犯行をいつ、どこで、どのような手段で行ったのか、最も重要な部分の具体的記述が全くなかったのです。検察側が開示した証拠も、犯行予告メールなど被害状況を示すものばかりで物証と呼べるものは無し。裁判官が『異例もしくは異常』と検察に苦言を呈する前代未聞の事態になりました」(前同)

逮捕から4ヶ月も捜査を継続していながら、明らかな物証も犯行経緯も提示できていない検察側。誤認逮捕の連発という失態をカバーするために国家権力のメンツをかけて起訴に踏み切ったようだが、どうも雲行きは怪しいようだ。(佐藤勇馬)

「何故、中世の司法制度は「自白」に頼っていたのか?」

http://kousyoublog.jp/?eid=2956
なるほど.とても興味深い.

日本の警察はまさに中世だ.

『教会は、証拠物件よりも自白のほうを好み、このほうが上だと考えた。被告がもし頑強に否認しつづけるなら、審問官たちはさまざまな強制手段を用いることができた。未決拘留などもそのひとつである。制裁にはいくつかの段階があり、裁判官は適当と思われる様式を選ぶことができた。被告は鎖につながれることもあった。長期の断食を課されることもあり、睡眠を奪われることもある。このような懲治の措置はときに数年間もつづき、いくつかの監獄は――たとえばカルカソンヌの独房のごとき――その厳しさゆえに悪名高いものがあった。ベルナール・ギーはこの種の懲戒法を称賛し、分量を間違えず上手に用いるなら、「心を開かせる」ものだ、「苦痛は理解のもと」だといっている。』(ギー・テスタス、ジャン・テスタス「異端審問」(1966年著、邦訳1974年)P45)

異端審問 (文庫クセジュ)

異端審問 (文庫クセジュ)

『自白は証拠にならない。なぜなら自白を証拠とするところから、強制、拷問が必要な取調べ手続きともなり、むじつの者を有罪と認定する誤判が生まれるからである。』(ベッカリーア「犯罪と刑罰」解説P210)

『自白、証人の証言等の供述証拠は不たしかなものであり、信ぴょう力の弱いものである。なぜなら、証人は利害関係により、被告人は強制や拷問によってウソの供述をすることがあるうえ、供述者による記憶の再生は不確実であり、またちょっとした表現の差でまったく反たいの意味をあらわしてしまうこともある不正確なものだから』(ベッカリーア「犯罪と刑罰」解説P210)

『裁判は公然でなければならない。犯罪の証拠もまた公然のものでなければならない。そうすれば、社会をつなぐ唯一のきずなである世論が裁判に関与する者達の暴力と欲望を封じるクツワとなるだろう。そして民衆は言うだろう。「われわれは断じてドレイではない。われわれは法律に保護されている」。こうした安心の感情は人々に勇気をふきこむ。そして民衆の勇気は、真の利益に耳をかたむけようという君主にとっては、みつぎ物にひとしい価値をもつものである。
こうした制度をうちたてるために必要な注意の詳細にこれ以上深入りすることはやめよう。なにもかも言わなければならないような連中に対しては、なにをいってもむだだろうから。』(ベッカリーア「犯罪と刑罰」P45)

犯罪と刑罰 (岩波文庫)

犯罪と刑罰 (岩波文庫)

「大阪 警察官がうその調書 裁判で偽証」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130609/k10015175071000.html
ちょっと余談

大阪府警察本部の複数の警察官が、警察署の留置場で起きた公務執行妨害事件への対応が適切だったと装うため、2回にわたってうその調書を作成したうえ、この事件の裁判で、警察官2人がうその調書に沿った証言をしていたことが関係者への取材で分かりました。

関係者によりますと、去年12月、大阪・堺警察署に勾留されていた男性が、署内の保護室に収容される際、巡査長の顔を殴ったとして公務執行妨害の疑いで逮捕されました。
保護室への収容は、巡査長が独断で決めていましたが、報告を受けた上司の警部補が巡査長の対応が適切だったように装うため、現場にいなかった別の警察官の指揮で行ったとするうその調書を作るよう指示したということです。
その後の捜査で、調書の内容がうそだったことが発覚しましたが、今度は事件を引き継いだ別の警察官が警部補の指示だったことを隠し、「巡査長が独断で保護室に収容したことを上司に怒られるのが嫌で同僚と口裏を合わせた」とする2つ目のうその調書を作ったということです。
逮捕された男性は、公務執行妨害の罪などで起訴され、巡査長ら警察官2人はことし3月に開かれた裁判に証人として出廷しましたが、その際、2つ目のうその調書に沿って事実と異なる証言をしていたということです。
先月、大阪府警の内部調査で一連の経緯が発覚し、先月7日に予定されていた判決の期日が取り消されました。
大阪府警は虚偽有印公文書作成や偽証などの疑いで捜査を進めています。

Togetter「差し戻された児童ポルノ法改正案を巡る自民法務部会での攻防」

http://togetter.com/li/513353
これも余談.

今の警察に無制限に拡大解釈可能な児童ポルノ法を与えるのは,まさに「キチガイに刃物」.

遠隔操作ウイルス事件のように無実の罪で逮捕した人間を有罪にするのに,腐った警察にとってこれほど便利な道具は他にないだろう.なにしろ証拠を捏造する必要さえないのだから,いくらでも別件逮捕し放題になる.

児童ポルノ禁止法改定案に日弁連が反対声明 「善良な社会風俗の保護が目的ではない」

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/14/news041.html

日弁連はこれまで、現行法による児童ポルノの定義について、「性欲を興奮させまたは刺激するもの」という主観的要件が含まれており、児童ポルノの構成要件該当性を客観的に判断できない上、広範囲かつあいまい・不明確な定義になっていると指摘してきた。

 3党による改定案では、処罰の対象となる単純所持を「自己の性的好奇心を満たす目的で」と限定しているが、「このような主観的な目的には曖昧さが残ることは否定できず、しかもあくまでも内心の問題なので、少なくとも捜査段階では、所持しているという客観的要件を満たせば身体が拘束されるおそれがある」と指摘する。取り調べの可視化が進まない現状では「密室での取調べの中で、主観的目的について無理に『自白』させられるという事態が生じるであろうことが容易に推測できる」と懸念し、「主観的要件での絞り込みは捜査権の乱用を防ぐ方法にはなり得ない」とした。

また改定案はネット事業者に捜査機関に協力する努力義務を盛り込んでいるが、「努力義務としつつ、実際の運用面では協力が強制されていくことが大いに懸念される。その結果、犯罪と関係ない多くの市民のプライバシー情報が捜査機関に収集される事態になりかねない」と懸念している。

強制的な「任意の事情聴取」と同じで,強制的な努力義務が課されるだけ.


拒否すれば証拠も無しに別件逮捕して代用監獄で数ヶ月間監禁.警察の前科は既にある

「自前」録音拒否で石川元議員への聴取中止 虚偽捜査報告書の再捜査

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130615-00000529-san-soci
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130615/crm13061512220003-n1.htm

生活の党の小沢一郎代表(71)が無罪となった陸山会事件の捜査をめぐり、東京地検特捜部の田代政弘元検事(46)=辞職=が虚偽の捜査報告書を作成した問題で最高検が元秘書、石川知裕衆院議員(39)=上告中=の任意の事情聴取を試みたが、石川氏が持参した機器での録音を希望したため、中止したことが15日、石川氏への取材で分かった。

 田代元検事は平成22年5月に石川氏の取り調べを担当したが、その際の捜査報告書に虚偽記載があったとして市民団体が虚偽有印公文書作成などの罪で告発。最高検は田代元検事を不起訴としたが、東京第1検察審査会が今年4月に「不起訴不当」と議決したため、再捜査に着手している。

 石川氏によると、今月14日午後、最高検の聴取要請を受け、東京・霞が関検察庁舎を訪れた。代理人弁護士の同席が認められ、検察が用意した機器で録音・録画されることになった。しかし、石川氏が持参したICレコーダーでの録音を申し出ると、担当検事は「捜査の内容が外部に漏れる可能性がある」と拒否したため、聴取は中止となったという。

 産経新聞の取材に石川氏「検察側だけでなく、自分が話したことを自分でも記録しておきたかった」としており、自前での録音が認められれば応じるという。

*1:マスコミに情報がダダ漏れだわ,逮捕前に尾行するわ隠し撮りするわ,警察はそれを黙認するわ.その挙げ句に確たる証拠も掴まずに,見切り発車で犯人を逮捕する警察の致命的作戦ミス.泳がせておいて決定的瞬間に現行犯逮捕するならまだしも,証拠無しで逮捕なんて勝ち目ないだろうに.