新国立競技場建設で過労死

「ケータイ軍曹さん」*1や「なれるSE」なみだな.たしかにヒドイ.

「五輪・新国立競技場の工事で時間外労働212時間 新卒23歳が失踪、過労自殺

https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170720

男性は、大学卒業直後の2016年4月、都内の建設会社に就職し、現場監督をしていた。

わーい,なんという大抜擢.

事実は小説よりも奇なり.前任者が逃げたから,新人にババを押しつけたな.


一度は解散・仕切り直ししたにもかかわらず再度キックオフと言って呼び集められたのだ.しかも案件の責任者は逃げだし,自分のような若造がPMを名乗っている.

意味不明にもほどがあった.
(中略)
……まったく,悪い冗談だった.

一体何をどうするとルータ設置エンジニアがたった一時間でこんなキャリアアップを遂げるんだ?島耕作じゃねぇんだぞ.出世しすぎだろう.

男性は2017年3月2日、突然失踪した。「今日は欠勤する」と会社に連絡があり、それを最後に一切連絡がとれなくなった。誰からの連絡にも応じなくなった。

そして、4月15日に長野県内で遺体が発見された。警察・病院の捜査の結果、「3月2日ごろに自殺」と判断されたという。

男性は診断を受けていないが、遺族側代理人川人博弁護士は、業務上のストレスもあいまって精神障害を発病した、と推定できるという。

「極めて異常な長時間労働が続いていた」

川人弁護士が、会社・元請けから提供された資料に基づいて分析した結果、自殺直前の1カ月の時間外労働は211時間56分。2カ月前は143時間32分だった。

この勤務時間は、セキュリティ記録やパソコンの記録、通勤の記録などから割り出したものだという。これは、会社の労使協定(36協定)を、はるかに超過していた。

男性は、あまりにも過労状態だったので、車通勤を辞めた。2月半ばからは、片道1時間かけて電車で通うようになった。

起床は午前4時半、帰宅は0時半?午前1時。現場の仮設事務所には、仮眠室は存在しなかった。

同居していた両親によると、起こそうとしても、なかなか起きられない状態だった。亡くなる1カ月前には、1日平均2〜3時間程度の睡眠しか確保できていなかったはずだという。

このレベルなのに宿泊施設がないのが致命的.会社で寝泊まりすれば往復二時間分の睡眠時間が増やせるんだぞ.睡眠2〜3時間と4〜5時間じゃ大違いだ.


なにその,なれる奴隷エンジニア.

結果「今度だけ」「今度だけ」の言葉に従い工兵は椰子の木の情シス サポートを続けている.昼はお茶の水,夜は表参道.土日休日深夜早朝,眠る暇さえなく働きづめでいた.

当然体調は加速度的に悪化している.背中に湿疹が生じ胃の奥に鈍い痛みが生まれていた.こめかみがずきずきと疼き目の奥に妙な塊が感じられる.食欲も減退し一週間で体重が三キロ落ちていた.

やばい,これはやばい.

冷や汗混じりに思うも打開策は見つからない.

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20120212/p1
このあとで上司が助けてくれるところだけは,さすがにラノベだ.

普通は上司は自分だけ真っ先に逃げるぞ.彼らはそうやって生き残ってきたんだからな.生存者バイアスって奴かな.

「“新国立過労死”で新証言「尋常でない現場だった」」

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3111713.html

「現場の動きがどんどんどんどん変わりまして、朝決まっていたことが何時間かすると突然変わって、それに対応するために、いろいろなことが発生して。尋常じゃない。(自殺した男性以外も)突然、来なくなっている人いました。『限界ですよ』と言っていたら、2〜3日後くらいに、そういえば来ないと」(新国立競技場の建設現場で働いていた作業員)

 工事に携わる人全体が「ギリギリの状態」だったといいます。

 「みんな必死です。使命感ですよね、オリンピック。結構ギリギリのところでやっていましたし、ベテランの人でもいっぱいいっぱいになりながらやってましたので、もう、みんながみんな同じような状況で、いろいろ感覚がまひしたと思う」(新国立競技場の建設現場で働いていた作業員)

「秘技ちゃぶ台返し」か.お偉いさんの使う必殺技(味方殺し).