「「サマータイム」導入 自民党内で議員連盟発足させ議論」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180824/k10011592471000.html

狂気だ.この国のエライ人の技術音痴ぶりときたら.

そのうえで、遠藤氏が「サマータイムの導入ありきではなく、経済界など多くの意見を聞いていきたい」と述べたのに対し、安倍総理大臣も「丁寧にやってもらいたい」と述べ、時間をかけて議論を進めていく方針を確認しました。

まず真っ先にIT技術者に聞けよ.不可能だって即答するから.

このあと、遠藤氏は記者団に対し、「無理してやれることではなく、多くの理解が得られなければできないことだ。秋の臨時国会で法案ができるとか、来年から施行できるということはありえない」と述べました。

無理してもできないことだってば.無理してできるくらいなら苦労はない.


仮に実行に移せば莫大な金をドブに捨てることになるんだけど,誰がその金を負担するんだ.そんな金があるなら,まずはボランティアに金払うのが筋.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20180813/p1
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20180821/p1


あーそれともあれかな?二千円札.「税金無駄使いして二千円札を発行したけど,誰も使わずに廃れました」方式.

お役所とオリンピック会場にだけ「さまーたいむ」って書かれた時計が目立たないように飾ってあって,町中の時計もテレビの時報も全ての情報機器も,会社も学校も鉄道も飛行機も全部今まで通りの日本標準時で動き続けるというのなら可能かもしれない.


サマータイムと類似の事例として2000年問題と対比する人も多いけど,

  • 西暦に関しては仕様変更はない.いずれ2000年がやってくることは千年も前からわかっていたことだ.
  • 二千年問題が起きることやその対処法については,作った当初から理解していた.そういう実装をしたのは妥協の産物.
  • 多くのアプリは既に二千年問題対応されていた.
    • 新しいプログラムは,その大多数が最初から二千年問題対応して作られている.
    • 古いアプリの多くは引退,もしくは修正されている.(当初は「全てが」引退もしくは修正済みになることを期待していた.)
  • 二千年問題は対応すればそれで終わりだが,サマータイム問題は「うるう年」のように今後開発する全てのプログラムの開発工数を増やす.*1

などの点で2000年問題とは根本的に異なってる.*2

2千年問題では,残ってるプログラムだけを見れば非対応のアプリは一部のはずだった.それでも大騒ぎだった.


サマータイム問題はこれから発生する仕様変更だ.ほぼ全てのプログラムに影響のある恐怖のちゃぶ台返しだ.

日本標準時に対する仕様変更であり,その影響範囲は非常に広く,おそらくその全てのプログラムが非対応である.仮に内部的には対応済みだとしても,どのプログラムが対応済みであるか確認し,テストし直す作業は必要だ.また非対応の全プログラムで,深刻なトラブルを起こす可能性が高い.さらに今後開発するプログラムの工数へも影響するのに,メリットが皆無となれば,もはや導入は正気の沙汰ではない.

追記

よくできたまとめ.

*1:開発コストを増やすだけの「うるう年Mk-2」とか欲しがる企業があろうか?

*2:おそらくプログラマーなら承知した上での発言だろう.