技術者/専門家の転職

転職サイトなどで紹介されている話はいわゆる文系向け,一般事務とか普通の商品のセールスのような一般向けの話が多いようだ.これに対し技術者,特に専門性の高い技術者の転職は,どうも事情が異なるように思う.
たとえば

  • マッチングが命.これまでのキャリアにマッチしない限りは応募しても無駄*1.しかもマッチする仕事を探すのが極めて難しい.*2
  • 募集は若干名.応募者も若干名*3
  • 就社よりは就職
  • 発表されている求人情報だけからは本質は全く見えない*4
  • 仕事内容については転職者自身が一番詳しい.主体性を持って転職活動に望むべし.*5
  • 履歴書や職務経歴書の内容もそれなりに吟味すべきだが,他者との差別化に苦労することは少ない.*6
  • 面接にもそれなりに注意.ビジネスマナーなどはあまり五月蠅くは言わないだろう.だからと言って自分という商品を売り込むためのセールストークは技術者にとっては専門外で苦手分野であることには変わらず,それなりの練習はしておいた方が無難.なまじ就職活動なんてしたものがないと,この辺りだけでも相当に苦労する.
  • 先入観は捨てろ:こちらの常識は相手の非常識.少しでもアピールしておく方が有利なことは,全て主張しておいて損はない.*7

*1:ただし,完全にマッチした場合はトントン拍子に話がすすむこともあるらしい.羨ましい話だ.

*2:オーバードクターの就職支援で書いたのと同じ.時として予想もしない業界にマッチする求人があったりもする.よって情報はありったけの手を尽くして,できるだけ手広く収集すべし.

*3:若干名どころか「一般公開されていない求人」という場合もあるらしい.

*4:本質が見えないので,ある程度は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」でいく必要はある.

*5:言い換えれば他人を信用するな.様々な情報は提供してくれるが,自分の思い描くものを理解してくれることは期待できない.ましてや最適な求人を紹介してくれる可能性は相当に低い.

*6:ひどい場合にはその専門知識を持っているのが自分一人なんてこともある.ましてその時期に転職活動をしている人となると,それが自分一人ということくらいは珍しくあるまい.

*7:とはいうものの,実際には忘れることの方が多いのだが.