優秀なエンジニアから引退していく、日本のIT業界
http://www.13hz.jp/2006/07/post_521d.html
まぁ、今までの日本のIT業界っていうのは、技術的な知識が殆どなくても、米国のビジネスを真似るだけでそれなりに儲かってしまうという状態でした。それこそ輸入業みたいなもんです。例えばライブドアも楽天も、何ひとつ独自の技術やアイデアを提供していませんよね?
それをいうなら『はてな』(人力検索を除く)もマイクロソフトも厳しいかな.
そうした輸入業に必要なエンジニアってのは、発想力なんて必要ない、他社のモデルをコピーできる、歯車としてひたすら働くエンジニアです。壊れたら取り替えOK。
こうした環境の中で、発想力豊かなエンジニアや新技術の導入に長けたエンジニアは日本では長らく軽んじられてきました。「何もしない」事を是とし、昨日のまま動くことが正義とされているのが日本のIT業界です。
そんな環境の中では「エンジニア」という職種それ自体に絶望する人も少なくないのです。分かりやすくいえば「夢のない職種」。それがITエンジニアの現実です。
しかし、そのような日本のIT業界の状況は、変わらざるを得なくなっているようです。
汎用機と呼ばれる大型コンピューターがガタガタと紙テープを食べていた時代の話ならともかく、今はあらゆるシステムがインターネットにつながる時代。「変化しないことを是」とするシステム運用の発想は通用しません。(中略)
今や、周囲の変化に併せて、システムも自ら変わらざるをえません。紙テープだけ処理していれば良い、というわけにはいかないのです。
そんな時代に合わせて私が出した結論が「変化のコストを最小化する」というコンセプトでした。否定される事は多々ありますが、分かってくれるエンジニアもまた、今では少なくありません。
それは常識だと思っていたが.基本思想だけなら20〜30年前くらいまで遡る.
...そう言えば理解してない老兵どもがいるという話は聞く.時代遅れの老兵は,足手まといにしかならないから即刻消え去って欲しい.
ただ、優秀な人から辞めるといっても、実は以下の2つのパターンがある。
- 優秀であるが故に、この業界で働く事の限界を察知してしまう。そして、他業種へ転職する。
- 優秀なので他人よりも多くの仕事を回される。それを片付けても、次から次へと仕事を回されるので、最終的に精神を壊して退職する。
それに加えて,優秀な人ほど転職先を見つけやすいというのもある.
現実問題として
http://alphastone.blog39.fc2.com/blog-entry-89.html
ITベンダー側では,「多段階の下請け構造」や,要員のスキルを無視した「人月単価による見積もり」など,業界構造にかかわる根深い問題が横たわっている。これらに,深刻化する人手不足や,日本版SOX法(企業改革法)に代表される法規制への対応,成果主義による現場のモチベーションへの悪影響など,最近の問題がからんでくる。ユーザー側にしても,RFPを満足に作らないことに象徴されるように,情報システム部門の弱体化が依然として進んでいる。
ところが「下請けのSEには,お客さんと直接やり取りすることがない。それでいて仕事は単調なコーディング作業で,自分がシステム開発にどう貢献しているかも分からない。これに加えて仕事が過酷となれば,モラルを保てるはずがない」(戸並氏)。