無責任な顧客企業とSIビジネスは鶏と卵
http://asipeye.blogspot.com/2009/07/sier.html
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20090723/p1 関連.
>この不景気をきっかけに、発注側のユーザ企業に変わってもらいたい。
他力本願。根本的に間違ってる。ユーザ企業の前にSIerが変わるべきだろ...。
とにかく数で押す人月商売からの転換が先。
以前も同じ事を書いたかもしれないけれど,それには半分同意できるが,おそれく無理.
SIビジネスと人月単価は鶏と卵の関係だから.*1
どこか國の馬鹿大臣も言っていたが,「(一般競争入札にして)透明性の確保が重要」と考える人も世の中にはいるのだ.*2こういう人のいう「透明性(のある価格)」とはえてして「人月単価」であり,人月単価の元では結果的にSI的な定品質で,しかも低品質で割高な物作りが推奨されることになる.
もちろんこの環境下でも,人月商売から脱却しようともがくベンチャー企業だって存在するだろう.もしそれが可能ならば,だが.
しかし実際にベンチャーが人月商売からの脱却を模索した所で,顧客企業(の担当者)が品質や操作性よりも人月単価を重視する限り,人月ビジネスからの脱却はならず,そのベンチャー企業は倒産するだけ.
- だいたい、精鋭を揃えれば10人もいれば納期内に完成できるシステムを玉石混交(ほとんどはなんちゃってエンジニア)で数倍の人数がいても納期内に完成できないケースがざらにある現状が異常。
- 次に実装屋よりも設計屋が偉いという間違った思考回路の是正。
これは,まったくその通りだが,無責任な顧客企業の元でSIビジネスが自己の利益を最大化する局所最適化を推し進めた結果であり,残念なことにある意味では合理的な判断だ.実に残念なことに.
これから数年のSI業界不況でなんちゃってエンジニアは黙っていても淘汰されるだろうが...。
残念だが,私はそこまで楽観的にはなれない.*3
顧客企業が変わらない限り,人月単価は低下しつづけ,それ以上に品質が低下し,今まで以上に「なんちゃってエンジニア」の比率は高まるかもしれない.*4 *5そして顧客企業は,今まで以上に品質の悪いシステムに高い金を払い続けることになるのである.