管理職は技術者か
http://yshibata.blog.so-net.ne.jp/2009-12-06
ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人 【第二版】 (技評SE選書)
- 作者: 荒井玲子
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2009/10/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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管理者は技術者ではない?
多くの日本企業は、管理職というキャリアパスを用意しています。
「管理職になるから、技術から遠ざかってしまう」と残念な顔。「これからは技術をやらなくてもいいんだ」と、なぜかほっとした顔。反応はさまざまですが、多くの人は「管理者は技術者ではない」と考えているようです。
実は、管理者には技術者よりも厳しく技術力が求められているのです。
「管理者の評価基準に、技術力なんてないよ」
そうかもしれません。しかし、管理者の評価基準に「技術力」という項目がないのは、技術力はあって当たり前なので、わざわざ基準を設けていないだけなのです。(途中省略)
管理者の技術力は、管理という仕事そのものに影響を与えます。したがって、管理者については、技術力を直接評価しなくても、技術力は表面化するのです。技術が求められないと思って、技術スキルの向上を怠っていると、管理スキルそのものが低下していくことになります。
- 管理職は技術者か? → NO
- 管理職に技術力は必要か? → YES
- 管理職の技術力はマネジメントに影響を与えるか? → YES
- 技術力のない管理職のマネジメントスキルは低いか? → YES
- 管理職は技術スキル向上に努力しているか? → ほとんどの場合はNO
- 管理職に技術力はあるか? → ほとんどの場合はNO
日々の主な仕事は、いわゆる管理業務に費やされていますが、技術スキル向上にあてる時間は工夫して作っていくことになります。伸びる人であれば、学習は日課になっていますから、何の問題もありません。伸びる人であれば、管理者になっても伸びていきます。管理者であれば、伸びる人を育成していくこともできます。
- 「伸びる人であれば、学習は日課になっている.」
- 「伸びる人であれば、管理者になっても伸びていきます.」
でも実際には,そんな人はほとんどおらず,前提条件は常に偽.だから上記の部分は,本来ならこのように書くべきなのです.
- 「ほとんどの管理職は,学習は日課になっていない.」
- 「ほとんどの管理職は,管理職になる前もなった後も伸びていかない.」
この人の言ってるのは,建て前の綺麗事.「もしこうだったら上手くいくのになあ」という夢を語ってるだけです.そもそも技術スキルもマネジメントスキルも評価基準に入ってない時点で,管理職が技術力向上/マネジメント力向上に努力し続けると期待する方がおかしいでしょう.*1
そりゃあもう,「受験が無くったって子供達は毎日一生懸命勉強するのです」と同じくらい馬鹿げてます.
荒井さんが述べるような技術スキルの向上を行っている管理職は、非常に少数だと思います。その理由の1つは、管理職になる前から「学習が日課」になっていない人が多いからです。
ところが、現実は逆で、若手の方が色々なことを勉強していて、新たな手法を導入しようとすると、勉強していない管理職に対して「分かりやすく説明する」ことが求められたりします。
この状況をさらに悪くするのは、ソフトウェア開発経験が全くない人が異動してきて管理職になった場合です。人にもよると思いますが、開発現場と全く異なった価値感を持っている人が管理職になると、話が全くかみ合わなかったりします。
はてな:ゲーム三昧の上司
http://q.hatena.ne.jp/1261452430
ついで.
知り合いがとある動画サイトを運営している会社に勤めているのですが、会長や取締役の方々、事業部の本部長などラインの上司にあたる方々がブラウザ三国志というゲームにはまりまくっているということです。
日本では「何も分かってない『エライ人』には、下手に足を引っぱるよりは何もしないでいてくれた方が100倍マシ」という現実もあったりする。
*1:そもそも「技術力よりこみゅにけーしょん能力が重要」ってずーーーーっと言われてるんだけど?求人を見てもコミュニケーション能力は求めても,技術力なんて求めてない.これで,一体どうやったら技術力のある人が管理職になるんだろ.