流動性の低さがもたらすCOBOLerの恐怖

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20090710/p1
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-fb88.html
http://mojix.org/2009/07/09/why_black_company
http://mojix.org/2009/07/13/chuushou_kaikokisei
関連

とりあえず、C++ を使ってはいけなかったコトだけは解った

http://d.hatena.ne.jp/minekoa/20090712/1247398358

結構前に、余ったCOBOLエンジニアがたくさんいるから COBOL の仕事を創出するんだ、みたいな記事を読んで、「バッカじゃないかしら」と思ったのだけれども、図らずも不景気で わたしの周辺の環境もそうなってきました。
なるほど、仕事はないけれど社員はクビに出来ないってなると、不景気は品質による淘汰ではなくって、品質悪化を加速するのね...orz などと、グチグチ言ってみるも、現実はどうにも変わらない。

ブラックで名高いIT業界では,こういう悲惨な現場が散見される.
だから雇用の流動化は進むべきだと思う.終身雇用と年功序列は時代の進歩に取り残された過去の遺物だ.COBOLerと同様に時代遅れの過去の遺物である解雇規制と日本的経営者は,日本のソフトウエア産業をズタボロにしてしまった.


しかし,たとえそうだとしても,今,現時点で解雇規制撤廃に進むのがあまりに危険すぎるのは既に述べたとおり.

そもそも「成果主義」の失敗と就職氷河期の顛末を見れば,この理論が荒唐無稽なことくらいはすぐに理解できるだろうに.

経営者も管理職も合理的に動くのではない.利己的に動くのだ.*2 *3

  • 雇用流動性が低いことがIT業界にとって問題なのは事実.
  • 雇用流動性が高くなるべきだというのには賛成.
  • 年功序列と新卒偏重を止めるのは賛成.
  • 現段階で解雇規制を撤廃するのは絶対に反対.まず間違いなく経営者の都合の良いように利用されるだけ.たとえば「10年間泥のように働く」ことを強要され,10年間酷使した直後に解雇してポイッと捨てるとか.
  • 年功序列を廃止しない限り新卒偏重は無くならない.*4
  • パフォーマンスに見合う対価を支払うことが可能ならば,年功序列はとっくの昔に廃止されていたはずだ.でも今もまだ廃止されてないよね.
  • 雇用流動性が上がっているならば,有能な人ならば並の技術者の倍の給料を払ってでもスカウトするはずだよね.でもそんなことをしている会社がどこにある?
  • まず廃止すべきは既に崩壊している年功序列賃金であって,雇用規制の撤廃はお門違いだ.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080603/p1

日本の雇用流動性の低さというのは解雇規制によって生まれたものではなくて,年功序列賃金,長期の住宅ローン,人事部中心で人を見ない採用過程,杜撰な評価制度,過度な新卒偏重,貧弱なセーフティーネット,はては礼金や保証人などの住宅事情にまで深く関係する.その中で解雇規制だけを撤廃しても,流動性の高い社会が一夜にして実現したりはしないのだ.

まともなコードがかけない人間も人手として使わなくてはいけない。そう言う要件があるなら、ソレを使えるような仕組みを作らなくてはいけない。良い/悪いじゃなくって「そういうもの」から始めるべき。凪瀬さんあたりからすれば「何を今更」な話なのだけれども、けれども、それはわたしがちっとも愉しくない。

愉しくないというのが問題で、ならこの薄給&過労な職場で働く意義はないよな、になってしまう(←待遇よりも愉しさ優先で職を選んでいる悪い大人)。そんなわけでただ今モチベーションがマイナス側に振り切れ中。

なんといっても「良いモノを作る」ことが喜ばれないのがシンドイです。共産主義の末路を見た気分。

哀しいくらいに同感.

流動性の低さはモチベーション・クラッシャー.

「誰かの為じゃない、あたし自身の願いの為に 」

http://d.hatena.ne.jp/minekoa/20090714/1247588839

結局何が起きているかというと、不景気前は 現場レベルでの「わたしの会社」も、「開発を受注した会社」も、「成果物を受け取る会社」も Win-Win-Win だったのです。アジャイル大好き!みんなで良いモノつくろーね!

けれど不景気になって、限られたパイを巡って、頭上でこれら3匹の魔物が弱肉強食の食い合い(コストの押し付け合い)を始めちゃいました。不景気では、現場の幸せより会社の幸せが優先されるようになるみたいです。

「開発を受注した会社」は社員の社内失業が著しくって、業務に携わってきた 協力会社を切らざるを得ない。人手不足やその解消になるかは関係成しに、全く出来ない人間がチームに送り込まれてきます。

まあここまでは「理解できるけど、絶対に理解したくねー!」という日本の糞IT業界では普通にある話だと思うけど,

一方「成果物を受け取る会社」も酷い方向に変質してきました。無駄を省け!何処が無駄なのか燻り出すのだ!カイゼンだーっ!・・と、「当初の要件機能項目・スケジュールを厳守せよ(破ったのは誰の責任か明確にせよ!)」「書類いっぱいつくりなさい」「変更履歴は正式な書類として全て残せ。書類自身の変更履歴もだ」と書類駆動で仕事をすすめるようになってしまいました。「責任の所在を明確にする」為で、そうなればとうぜん書類を盾に言質を取っての責任の擦り付け合いになります。昨日の友は今日の敵。さようなら、アジャイル。また会ったね、ウォーターフォール

これはなあ...

ただでさえ景気が悪くて赤字なのに,これ以上に無駄なコストを増やしてどうするよ?管理職は会社を潰すつもり?

とりあえず、C++を遅いというCプログラマを使ってはいけなかったコトだけは解った

http://d.hatena.ne.jp/Isoparametric/20090713/1247495868

長年Cだけやってきた人が大抵言うこと「C++は遅い」。
いや、「C++の書き方を知らないから遅いコードを書いたんじゃないの?」
C++の事を知らないという不勉強さをC++という言語のせいにしてない?」
なんて言いたくもなるもんです。

これはJavaでも同じだな−.

さすがに最近は珍しくなったけど,VMのことも知らんくせに,マイクロベンチマークを根拠に(或いは根拠も無しに)「Javaは遅い」と曰う方々はけっこういたんだよね.そういう人の書くJavaコードはきまって品質が悪い.*1

ついでにメモ.
http://d.hatena.ne.jp/Isoparametric/20090713/1247495031

*1:平均レベルと言えば聞こえはいいが,それって普通は「救いようがないほど酷い」というのと同義だよね.