IT業界の問題の一つは「人の流動性」が高すぎてノウハウが蓄積しないことにある
「日本の問題は、「人の流動性」が低すぎてノウハウが循環しないことにある」http://mojix.org/2010/03/08/knowhow_junkan
まだやってたのか,このバカは.
大企業の中高年正社員だけが日本じゃないんだよ.*1
一言で言えば机上の空論.*1
そもそも「成果主義」の失敗と就職氷河期の顛末を見れば,この理論が荒唐無稽なことくらいはすぐに理解できるだろうに.経営者も管理職も合理的に動くのではない.利己的に動くのだ.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080603/p1
- 雇用流動性が低いことがIT業界にとって問題なのは事実.
- 雇用流動性が高くなるべきだというのには賛成.
- 年功序列と新卒偏重を止めるのは賛成.
- 現段階で解雇規制を撤廃するのは絶対に反対.まず間違いなく経営者の都合の良いように利用されるだけ.たとえば「10年間泥のように働く」ことを強要され,10年間酷使した直後に解雇してポイッと捨てるとか.
- 年功序列を廃止しない限り新卒偏重は無くならない.*4
- パフォーマンスに見合う対価を支払うことが可能ならば,年功序列はとっくの昔に廃止されていたはずだ.でも今もまだ廃止されてないよね.
- 雇用流動性が上がっているならば,有能な人ならば並の技術者の倍の給料を払ってでもスカウトするはずだよね.でもそんなことをしている会社がどこにある?
- まず廃止すべきは既に崩壊している年功序列賃金であって,雇用規制の撤廃はお門違いだ.
http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20081220/p1
ちなみに流動性が高すぎると社内教育も機能しなくなります.いままで以上に生涯教育も重要になる.
長期的にはそれでいいと思うけど,まずは旧態依然の人事部の解体.話はそれからだ.
「日本が成長できたのは奴隷みたいな労働力があったからだろ」
http://d.hatena.ne.jp/skicco2/20100308
都合のいいときだけ国際水準を持ち出すんじゃない。
題名そのものには同意する。しかし、日本が他国と比べ解雇規制が厳しいのと同時に、他国と比べセーフティネットが無きに等しいことも忘れてはならない。
これは全く同感.
そもそも、日本的経営の象徴と言われた「終身雇用」「年功序列」は、見方を変えれば「転職禁止」「給料の後払い」でもある。たとえどんな理不尽な扱いを受けようとも、転職を試みれば落伍者扱いされる上に給料がリセットされる。自分や家族の生活を考えれば会社に従わざるを得ない。いわば、自分や家族の人生を人質にとった奴隷制度だったのだ。
http://ssig33.com/blog/2010-03-08-1.html
結果として失業給付を使い果たし、貯金を使い潰し、転職の為に転居しようにも部屋を借りることは出来ず、ジリ貧となって、かくして労働者の破滅が達成されるのであった。
という訳で「整理解雇四要件を緩和せよ!!!」というふうなのは一方的な話であって、その前提として
1. 企業の業務を標準化すべき
2. 労働組合を現代的に再編すべき
3. 職業訓練をより現実的に再編すべき
4. 借地借家法を改正して無職者でも部屋を借りられるようにすべきというあたりが最低限としてあると思います。これらのことに触れずに「解雇規制を緩和せよ」と叫んでいる経営者は、単に楽して馘を切りたいだけのワガママちゃんと見ていいと思います。
じゃあこんなハードルをクリアして日本が変わっていけるかというと、そんなことはまずないと思います。
*1:IT業界でも逆に淀みすぎている所は存在する.COBOLerとか.でもそれは解雇規制の有無によって生まれたもんじゃない.http://d.hatena.ne.jp/minekoa/20090712/1247398358